【前回の記事を読む】現代の子供は「黄色」を言葉で表現できない!? 感性は言葉から

第一章

1.【幼学綱要(ようがくこうよう)(はん)()勅諭(ちょくゆ) (明治(めいじ)十五(ねん)十二(がつ)

彝倫(いりん)道徳(どうとく)教育(きょういく)(しゅ)(ほん)我朝(わがちょう)支那(しな)(もっぱ)崇尚(すうしょう)する(ところ)

()欧米(おうべい)各国(かっこく)(また)修身(しゅうしん)(がく)ありと(いえども)(これ)本朝(ほんちょう)採用(さいよう)する、(いま)其要(そのよう)()す。

方今(ほうこん)、学科(がっか多端(たたん)本末(ほんまつ)(あやま)(もの)(すくな)からす。年少(ねんしょう)就学(しゅうがく)(もっと)(まさ)忠孝(ちゅうこう)(ほん)とし、仁義(じんぎ)(さき)にすへし。

(よっ)儒臣(じゅしん)(めい)して、此書(このしょ)編纂(へんさん)し、羣下(ぐんか)頒賜(はんし)し、明倫(めいりん)修徳(しゅうとく)(かなめ)(ここ)()(こと)()らしむ』

意訳

(ひと)として(まも)らなければならない、また、()わることのない道徳(どうとく)教育(きょういく)中心(ちゅうしん)です。

(わたし)たちが()日本(にほん)は、(ふる)時代(じだい)から中国(ちゅうごく)古典(こてん)経典(きょうてん)過去(かこ)先生(せんせい)(おし)えをまとめた(ほん))を大事(だいじ)にしてきました。

欧米(おうべい)各国(かっこく)にも道徳(どうとく)教育(きょういく)はありますが、この教育(きょういく)(いま)日本(にほん)(おこな)うのは、その本質(ほんしつ)(こと)なってくる(てん)があります。

まさに(いま)(まな)学科(がっか)(おお)く、色々(いろいろ)方面(ほうめん)にわたっており、物事(ものごと)根本(こんぽん)枝葉(えだは)(ちが)いを(あやま)って理解(りかい)している(ひと)(おお)くいます。

幼児期(ようじき)児童期(じどうき)最初(さいしょ)必要(ひつよう)(まな)びは、(ちゅう)(こう)基本(きほん)であり、(じん)()(ゆう)先的(せんてき)にする必要(ひつよう)があります。

したがって、宮中(きゅうちゅう)皇室(こうしつ))において儒学(じゅがく)(つか)える専門官(せんもんかん)(めい)じて、この(しょ)をまとめ、(おお)くの地域(ちいき)にこの(ほん)(くば)って、(ひと)(まも)るべき(みち)()(こころ)(あき)らかにして、道徳(どうとく)(おさ)めるために必要(ひつよう)内容(ないよう)がこの(ほん)にあることを(ひろ)()らせます。