【前回の記事を読む】まるで『金色夜叉』…父・母・私の共依存三つ巴家庭での一幕

大学生気分…乙女だった ―結婚前と結婚後―

声のかけ方

駐車場の前で工事。

作業員に「右折して出たいが大丈夫ですか」。

すると「おかあさん、大丈夫ですよ」と返事。

はぁー、私あなたを産んだ覚えないけど。奥さんでもないし、他人からオバサンはもっとイヤだし。そこは笑顔で近寄り「大丈夫です」。それが私的には大正解。とにかく面倒なオバサンなのだ。

私の名前は「〇さん」と呼ばれると3人くらいは振り返るほど平凡。離婚の時、色々な手続きが面倒なので離婚後も名前はそのままにしてある。(不本意)

追伸

子供の授業参観、仕込みを抜けだし、3人の教室を回らなくてはならない。

急いで帰ろうとしたら、後ろから大きな声で「ママ、今日6時に5人予約お願い」

私は学校に営業のためにきてはいない。 

痛い

嫁いだばかりの頃、盆暮れの親族の集まりがあると、元夫の叔父にゲンコツをくらった。人に手をあげられたことのない私は、殴り返したいと隙をねらう。酔いがさめると「悪かった、今度は気をつける」と謝る。

叔母(叔父の奥様)は盆暮れの集まりにアオタンをつけてくる。

(アオタンということは、二、三日前だなと逆算する)

叔父は誰もいない時、ねらってくる。「この卑怯者」。でも、顔は殴らなかった。

追伸

スーパーでカートを杖代わりに使っていると、子供がカートを押してこちらにくる。スピードが段々上がってきている。魚雷のような正確さでアキレス腱に。撃沈する私。思わず「痛い」と声がでる。

すると母親は「ほら、よく前見てオバサンに怒られるよ」

子供からカートをいったん取り上げたが、子供はカートを母親から取り返しコーナーリングにチャレンジしていた。 

初競り

兄から初夏になると、絵手紙らしきものが届く。丸くて緑色、白い線が斜めに交差している。要は、マスクメロンの催促らしい。

私はとぼけて兄にメール「なんか変な絵が届いたけど、よく分かりません」

数日後またハガキが届いた。

ハガキいっぱいに大きな字で「マスクメロン」

追伸

年末になると、赤い絵手紙が届く。遠慮がちにカニらしき足が、その足にはおそらく毛のような黒が点々と描いてある。冬の農家、暇に任せた絵は迫力、圧巻。

「カニ、出発しましたか、こちらは受け取り準備できました」

恐ろしい絵手紙、今は懐かしい。亡き兄。