【前回の記事を読む】誰も知ることのない一冊となった原因とは…『幼学綱要』って何?

はじめに

⑷豊富な言葉の本

『幼学綱要』では多くの漢字や熟語で色々な感情や性格が表現されています。また、同じ言葉でも違った漢字が使われている場合もあります。つまり、若干の意味合いが違うということです。

その意味合いの違いを含めて、その言葉を知ることは未来の子供たちの豊かな感性を必ず育ててくれるでしょう。幅広い語彙を持つことは表現も豊かになり、より人間を知ることができます。豊かな感性は言葉によって得ることができます。

例えば「黄色」の色について、現代の子供は、どのような言葉で表現することができるでしょうか。「濃い黄色」「薄い黄色」……。しかし日本の伝統色を知っていれば「山吹色」「玉子色」「玉蜀黍色」「花葉色」「梔子色」「鬱金色」など様々な言葉で表現することができます。

多くの語彙を持っていることは色の微妙な違いをしっかりと認識することができるようになり、子供たちの感性を豊かにしてくれます。子供たちには、この『幼学綱要』を通して多くの言葉と人間を学んで次の日本の未来を背負う大人物に育ってもらいたいと望んでいます。