はじめに

私には冒頭にも書いたように育ての親、実の親がいます。家庭の事情をいつ、どのように知ったのか? 私はその時、なにを思い、なにを感じ、なにを決めたのか? そんなところも本を読みながら知って頂けたらと思います。

パパとママが結婚し、私が生まれ、3歳の頃に離婚し、ママは自分のいとこに私を養女に出したので、お父さんとは遠いけど血は繋がっていますが、そのお嫁さんであるお母さんとは血が繋がっていません。

そのため、お母さんにとって私は「よその子」で「なぜ血の繋がりもない子を私が育てなくちゃいけないんだ」という思いが強かったようで、元々の意地悪な性格も手伝い、それで毒母になっていったのだと思います。

そして私の話の前に、ママ(実母)の生い立ちからお話しします。

実は私のママも私と同じような出生で、ママが小さい頃に両親が離婚し、父(つまり私の母方の実の祖父)がママを引き取り、その父は自分の姉(ママのおばさん)にママを預けて蒸発しました。そのため、ママはそのいとこ家族の一番下の妹として4人兄妹のように育っています。つまり、いとこ家族と一緒に暮らしていたということです。

その時同居していたママのおばさんが実母のようにママの面倒をよく見てくれ、ママはそのおばさんを母親のようにとても慕っていたようです。

ママは「父親に捨てられた」という思いが強く、そのせいか人に負けることを人一倍嫌い、人を見下し、常に人の上に立ち支配することで自分を保っていたようだと親戚は言います。

一方私は実の両親が離婚した時、2~3歳という年齢だったため、記憶がほとんどなく、育ての両親を実の両親と信じて疑いもせず育っていました。

ちなみに私を引き取ったのは、ママと一緒に育った、ママのいとこの一番上の兄です。そして私は引き取られた家では、おばあちゃんっ子(ママを育てた人)でした。

お父さんは3人兄妹(兄妹妹)で、私が育った家の近くにお父さん兄妹の末っ子の山口おばさん夫婦が住んでいました。育ての家で苦しんでいる中、そのおばさんとその家族(おじさんと8つ上のお姉さん)は、本当に私を可愛がってくれました。

私が育ての家で苦しんでいる時も、そのおばさん家族がいたことで、私は道を外れず、常識のある人間になれたのだと、今でも心から感謝しています。

感謝してもし切れませんし、一生恩返ししてもし切れないでしょう。

今でも私はそのおじさん、おばさんを実の両親のように慕い、その家のひとり娘と実の姉のように親しい付き合いをさせてもらって、今も仲良くお世話になっています。

複雑でややこしいですが、なんとなく理解して頂けましたでしょうか?