何想う事もあらぬに目覚めいてひたひたと夜の足音をきく
はろばろと生きて哀しみ拾いけり古希も半ばの冬陽さすなか
わけもなく心沈める日のありてひっそりと午後のコーヒーを飲む
※本記事は、2019年3月刊行の書籍『短歌集 生きる』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。
短歌集 生きる【第5回】
心かが折れてしまいそうなとき、
寄り添い支えあう、心の歌。
原爆の悲劇、夫との死別、複数の病との闘い……。時代に翻弄されながらも困難と向き合った歌人が、自らの経験を生きる糧に代え、詠みあげる709首。平和で豊かな未来を願い、いまを生きる人に伝えたいメッセージを、連載にてお届けします。
何想う事もあらぬに目覚めいてひたひたと夜の足音をきく
はろばろと生きて哀しみ拾いけり古希も半ばの冬陽さすなか
わけもなく心沈める日のありてひっそりと午後のコーヒーを飲む