➂飲酒のメリットはないことを知る

はい、そこのあなた、そして全国の「酒飲み」の皆様。言いたいことはわかります。私も四年前まで超一流の酒飲みでしたから。「黙って聞いていたけれど、酒を飲むメリットだって沢山あるじゃないか、バカヤロー」ですよね。では、今から私の長年の勘違いを書かせて頂きます。

■ 飲酒するのは楽しいし、人間関係も円滑になる

もちろん話題の飲食店に行くことや、宴会・パーティーは楽しいものでしょう。「飲みニケーション」という言葉もあります。しかし、本当にアルコールは必要でしょうか。アルコールがあって当たり前なので、想像できていないだけではないでしょうか。

お酒があった方が相談しやすいと思っている方や、腹を割って話せるという方もいらっしゃると思います。お酒の場で沢山の仕事をもらってきたんだ、という方もいるでしょうし、お酒が無ければ円滑な人間関係なんて作れない、という方もいるでしょう。これは以前の私も同じです。

しかし、断言します。これは飲めても飲めなくてもまったく変わりません。安心して下さい。むしろ飲んでいない方が、翌日になってもしっかり覚えていますし、相談というのは、そもそも黙って聞いてもらうのが目的であって答えは最初から決まっているのが相場です。

そして本当にワクワクするような仕事や人間関係の話は、その話自体に魅力さえあればお酒など無用ですし、むしろお酒に酔うよりも素面で話にのめり込んだ方が楽しいはずで、何倍も建設的な議論ができます。

ひと昔前までは

「俺の酒が飲めねえのか」

と言う方もいらっしゃいました。まさにこれも昔の私です。今はノンアルコールでも許される雰囲気が浸透しており、お酒を飲まなくても十分通用します。そもそも今時そんなこという人はいないでしょう。ノンアルコール派は確実に増えており、いっそノンアルコールだけのグループをメインにお付き合いしたほうが将来の為にも良いと思います。

それでも

「飲めるヤツが、デキるヤツだ。酒も飲めないヤツとは仕事なんてできない」

と食い下がる方、四年前の私もきっとそう言うでしょう。もう、ここまで来ると否定しませんので、そのまま飲酒を続けて下さい。その代わり

「今時、あんなに大量にお酒を飲んでいるなんて、可哀想な人だな」

と思っている人も、今は飲み会の場所ですら、かなりの人数いらっしゃることも事実です。しっかりと一歩引いて、どちらが自分にとって良いのか、現実を見ることが大切だと思います。ひと昔前に

「俺たちは愛煙家だ」

などと言っていた喫煙者たちが、今どんな扱いを受けているか、どんな目で見られているかを見れば一目瞭然だと思います。

※本記事は、2022年6月刊行の書籍『アルコール依存症だった私』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。