残照
暗い木陰の向こうに
色づき始めた木の葉が見える
あたりはぼんやりたそがれ時
我が影が淡くただよう
道をおおうどす黒い落葉に
何か暗い予感がして
これからの季節にただよう
うす暗い何かの幻を見て ──
ふと見上げれば黒い
けやきの大木が ──
黄色と茶色の葉をつけた大樹
見返れば山の間に夕焼け
あの女にもこの景色を見せよう
そして暗い幻をあの女にも感じさせよう ──

黒い花Ⅱ【第8回】
心がくずれる瞬間“悪魔の時”……
あの女(ひと)の目、あの女(ひと)の胸――それが私を惑わす。繊細な詩と艶やかな油彩画が織りなす珠玉のアンサンブル。※本記事は、大伴健氏、長友良憲氏の書籍『黒い花Ⅱ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
暗い木陰の向こうに
色づき始めた木の葉が見える
あたりはぼんやりたそがれ時
我が影が淡くただよう
道をおおうどす黒い落葉に
何か暗い予感がして
これからの季節にただよう
うす暗い何かの幻を見て ──
ふと見上げれば黒い
けやきの大木が ──
黄色と茶色の葉をつけた大樹
見返れば山の間に夕焼け
あの女にもこの景色を見せよう
そして暗い幻をあの女にも感じさせよう ──