【前回の記事を読む】作品集「黒い花Ⅱ」より三作品

残照

暗い木陰の向こうに

色づき始めた木の葉が見える

あたりはぼんやりたそがれ時

我が影が淡くただよう

道をおおうどす黒い落葉に

何か暗い予感がして

これからの季節にただよう

うす暗い何かの(まぼろし)を見て ──

ふと見上げれば黒い

けやきの大木(たいぼく)が ──

黄色と茶色の葉をつけた大樹(たいじゅ)

見返れば山の間に夕焼け

あの(ひと)にもこの景色を見せよう

そして暗い幻をあの女にも感じさせよう ──