【前回の記事を読む】おねしょをするのは「夢」が原因?…おねしょを克服する方法

第2章人に見られるから背伸びができる

1おねしょの克服

さて、せっかくですので私の体験談を続けます。私は幼稚園から小学校4年生までを、東京の世田谷で過ごしました。父は三重、母は愛知の出身で、親戚もほぼこの2県に集中し、転勤族の我が家だけがポツンと東京に……

そんな状況でしたので、長期の休みになると東海地方に家族で度々里帰りしました。正月やお盆のテレビニュースで流れる新幹線ホームの光景が、私の家族の光景でした。

私が小学校に上がった年の夏休みのことです。私が“行きたい!”とねだったのか? 幼い妹たちの世話で手一杯だった母が頼んだのか? 定かではありませんが、私が1人で母方の祖母の家に行くことになったのです。

「1人で」と言っても、母が東京駅でひかり号に乗せ、祖母が名古屋駅で迎える。途中の停車駅も無い、かなり安全に配慮した旅でしたが、1年生の私にとっては大冒険でした。(当時、新幹線の最速列車は「ひかり」。東京駅を出ると次の停車駅は名古屋でした)

名古屋で名鉄に乗り換えて佐屋という駅まで行き、そこから子どもの足で30分ほど歩くのです。歩いて行く途中にすれ違う人は、みんな祖母の知り合いです。交わす言葉は強烈な方言なので、意味のわからない部分も多かったのですが……

会う人会う人に「あい子(私の母)の長男、東京から1人で来た!」と紹介するのです。「へ~東京から1人で!」と皆が驚き、私が標準語できちんと挨拶をすると、「へ~かしこいね~」と感心される……

祖母は、周り一面がレンコンの田圃が広がる田舎で、農家の離れに1人で暮らしていました。ご飯は既にガスで炊いていましたが、炊きあがったご飯を御櫃(おひつ)に移し、2人で囲む卓袱台(ちゃぶだい)まで持って来ます。

祖母は先ず、夫(祖父)の仏壇にお供えするご飯を陶製の仏飯器によそいます。それを孫の私がお供えし、祖母がロウソクと線香に火を灯し、おりんをチーンと鳴らして一緒に手を合わせる……

それから食事が始まるのですが「木の御櫃」からよそってもらうご飯が美味しくて、何度も「お代わり」をし、それを喜んでくれる祖母でした。