第一章 青蛙
静けさのかたまり
ブドウの枝の剪定作業
真冬の畑に出ている人なんていやしない
シーン シーン
まるで静けさが固まって
そこら中に転がっているようで
シーンのかたまりが聞こえそうで
雪がちらつき 風が吹く今日あたりは
鳥も休んでいるようで
藪の中で何やら雀がおしゃべりしていて
いつものカラスやトンビも飛ばなくて
剪定バサミのパチンパチンと
枝を切る音だけがこだましている
シーン シーン
静けさのかたまりの中で
一人汗をかいている
村においでなさい【第5回】
もうすぐ七十二歳
田舎で一人農業
寂しさや悲しさはない
トラクターや草刈り機
ほどほどに機械も使いこなし
健康的な汗をかく
自然や孫、亡き夫へのあたたかくまっすぐな気持が詰まった、瑞々しい65の詩。※本記事は、正木ふゆみ氏の書籍『村においでなさい』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
静けさのかたまり
ブドウの枝の剪定作業
真冬の畑に出ている人なんていやしない
シーン シーン
まるで静けさが固まって
そこら中に転がっているようで
シーンのかたまりが聞こえそうで
雪がちらつき 風が吹く今日あたりは
鳥も休んでいるようで
藪の中で何やら雀がおしゃべりしていて
いつものカラスやトンビも飛ばなくて
剪定バサミのパチンパチンと
枝を切る音だけがこだましている
シーン シーン
静けさのかたまりの中で
一人汗をかいている