華やかに狐の嫁入り雪椿

雪椿の名の由来は雪に耐えて育つから。枝がしなやかで、豪雪に押しつぶされても春になると、枝を持ち上げて開花する、力強さを持っている木で新潟県の県木です。

雪椿は百年以上前に麒麟山で発見され“雪つばきの宿古澤屋”の道を挟んで向かいにある二千坪の“訪春園”で咲いていました。濃い紅色の花と白花、どちらも冬をのりきった自信に満ちています。

近くの“狐の嫁入り屋敷”の庭では狐(鋳物)の嫁入り行列の儀式が厳かに行われていました。

新潟県阿賀町麒麟山温泉 2002.4.26

花桃は思いのままに謳歌して

“中之条ガーデンズ”から“中之条山の上庭園”に抜けるその名の通り花桃街道。せせらぎのような蛇野川に沿って植樹されている花桃は、まだ若木ですが、花は愛らしく咲いていました。

一本の木に白や桃色や紅色の花が交じって咲いているのは、思いのままに生きている私にそっくりで親近感を覚えます。

その晩泊めていただいた嬬恋村の農家でキャベツの苗を分けていただきました。大切に育て、甘いキャベツに成長しました。まるで花桃のように。

群馬県中之条町 2019.4.27

チューリップ銀座の車道絵画とす

チューリップ七百品種三万本も植えられている国内最大級の“砺波チューリップ公園”。園内のチューリップタワーから見下ろすと、カラフルなチューリップが所狭しと咲いていて「親指姫」を見つけるのはちょっと難しいですね。

それにひきかえ、チューリップ畑のチューリップはすべて刈り取られ、来年の植え付け用の球根にするとか、銀座の歩行者天国のチューリップアートにするとか。観賞時期は短いのですね。

富山県砺波市 “砺波チューリップ公園” 2002.4.27

※本記事は、2022年10月刊行の書籍『誘われて』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。