十三 『青春』をともにした友人とは?

青春するためには、ほぼ同年代で同じ境遇の仲間がどうしても必要になってくる。仲間の年齢は、「自分の年齢マイナス十歳~プラス五歳」くらいがよい。そして、その人は独身か、バツイチで子供がいないか、もう手がかからないか、という境遇である。

もちろん、収入が年五百万円以上あり、数か月に一度は四日以上の連続休暇が取れることが大前提である。

なお、英語などの外国語が話せることは必須条件ではない。私などは四十年前に学習した錆ついた受験英語とにわか仕込みのタイ語とタガログ語で済ませている。

私を指南してくれたのは通称『タケ』。初めて出会った時の彼は三七歳で、私より十七歳も年下である。会社員で言えば、新入社員と課長・次長ほども離れている。

高卒で、バツイチ、坊主頭。現在は長距離トラックの運転手であるが、その前は期間工をしたり、うなぎ屋を経営したり。またその前はアメリカで仕事をしていて、休暇中に世界中の歓楽街へ行き、思う存分遊んでいたとの由である。高校生の時にはホストもやっていたそうだから、この人いかにも怪しい。

そのタケは、テニスクラブで知り合いだったジュンの友人である。ジュンは当時六四歳で私より九歳上、一年前に最愛の妻が病死している。

タケとジュンは他の友人たちと一緒に、よく山登りに行ったり、サバゲー(サバイバルゲーム)をしに行ったりしていた。私はジュンとは時々飲みに行っていたが、何度かサバゲーの楽しい話を聞かされた。そこで、そんなに楽しいのならということで、一度連れて行ってもらった。そのときにタケに初めて出会った。

正直なところ、サバゲーはとても楽しかったが、この時に抱いた『罪悪感』がハンパなかった。

『俺は何てバカげたことをしているのか?』また、私の『マジメ病』が顔を覗かせてしまった。でも、二人とも無邪気に心から楽しんでいた。こうでなきゃいけないはずだ!

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『五五歳からの青春 【文庫改訂版】』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。