【前回の記事を読む】腐った食べ物は危険なはずなのに…私たちが「納豆を食べられる」ワケ

第二章

アルコール依存症を克服する為の四つのステップ

②なりたい自分を想像する

では、私自身が断酒して体感したメリットを書き出します。あなたが「私もこうなりたい」という項目があれば、目を閉じてそうなった自分を想像してみて下さい。もちろんいくつ選んでも構いません。新しくどんな理想像を創造しても構いません。できるだけ具体的に鮮明に想像して下さい。あなたには本当に素晴らしい日々が待っています。

■精神が安定し、心が軽くなります

私はいつ頃からアルコール依存症だったのか、今となってはわかりませんが、本当に毎日精神的に追い詰められていました。何かあればすぐにイライラしたり、大きな声を出したり。断酒してからは精神が安定し、心が軽くなりました。悪夢を見たり、起きたあとの倦怠感もなくなりました。

■時間が増えます

まさに一日が今までの二倍になった感覚です、今まで本当に時間の使い方が下手だったと痛感しています。断酒のおかげで、息子とゲームをしたり、油絵を描いたり、YouTube投稿に挑戦してみたり、本の執筆活動に繋がったり、沢山の時間ができました。

■お金に余裕ができます

単純に飲酒関係の出費がなくなりました。計画的にお金を使うようになりましたし、仕事の取り組み方も変わりましたので収入も増えました。経済的には何倍も楽になりました。

■快適な睡眠が取れます

飲酒しないことで夜更かしすることもなくなり、睡眠薬を飲まなくなったことで、健康的に自然な深い睡眠が取れるようになりました。何より毎朝「二日酔いがない」こんな素晴らしい毎日になるなんて本当に幸せです。

■車がいつでも運転できます

当たり前ですが、飲酒をまったくしないので二四時間どんな急用があっても運転できるようになりました。今日は飲むかもしれないから電車で行こうとか、代行運転を呼んだりなどの余計な手間や出費もありません。

■免疫力が上がります

一般的にアルコール摂取は免疫力が低下するとされています。断酒したことで風邪や体調不良はほとんどなくなりました。もちろん血液検査などの結果も良くなりました。おろそかになりがちだった歯磨きも朝晩しっかりできるので口腔内の衛生も良くなりました。

■無駄なものを食べなくなります

ほとんど食べていないつもりでも意外と食べていた飲酒中のおつまみ、飲んだ帰りのラーメン、記憶がないままに買って食べていたコンビニ弁当、冷静に思い返してみるといったいどれだけ無駄なものを食べていたのでしょうか、もちろん一切必要なくなりました。

■しっかり痩せます

一日一食になりました。四〇代という年齢のせいもありますが、必要カロリーを摂取するだけなら一日一食で十分です、まったく無理はしていません。お酒を飲まないので、正常な満腹中枢の指示に従っているだけで大丈夫です。断酒直後の一二㎏のダイエット以来、四年間健康体重を維持したままです。

以前はいわゆる中年体型で、下っ腹も前に突き出していましたし、横っ腹もお餅のようにたっぷりと掴めるくらいでした。

■モテます

これとっても重要だと思います、笑。アルコール依存症だった頃の私とは見た目がまったく変わってしまいました。もちろんとってもいい方向に変わりました。

■筋肉が付きやすくなります

断酒直後に鉄アレイを二つ買い、ずっとそれだけでトレーニングしました。今も継続していますが、トレーニングの頻度は週二〜三回で一回五分程度です。無駄なもの食べないので脂肪が落ち、このトレーニングだけで腹筋が見えるようになりました。(鉄アレイ、一〇㎏×二個・ネット通販で五〇〇〇円程度)

あえて自慢しますが、とても五〇歳目前の身体には見えません。とにかく筋トレが楽しいんです。アルコールや無駄な食事を断ったことにより、短時間のトレーニングで効率よく筋肉が付きます。楽しくて当たり前ですよね。

■深く考えごとができます

これは本当に強く実感しています。アルコール依存症だった以前に比べて、常に頭の中がクリアで鮮明になりました。仕事でも集中力を切らさず、今までより短い時間で成果が出せるようになりました。息子と遊ぶ時も全力で一緒に遊べます。

寝る前に日記もつけるようになりました。日記はもうすぐ三年になろうとしています。

■新しい自分を発見できます

現在バツ二、四八歳の独身男ですが、何歳になってもやっぱり異性には心を動かされます。

でも本当に若い頃からずっと、お酒なしで女性を口説いたことなどありませんでした。お酒の勢いを借りてでしか女性と話せなかったことに気づかされました。今は毎日がシラフです。最近では、気になる女性と話したり、相談し合ったりしますが、ノンアルコールでの新鮮でワクワクするような会話に言い表せないような幸せを感じています。

※本記事は、2022年6月刊行の書籍『アルコール依存症だった私』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。