居酒屋稼業を始めるにはお店の名前を決めなければなりません。ギリギリまで全く考えておらず、大事なことが抜けていました。地元に愛されてる居酒屋、長く続いてる居酒屋、いつも繁盛してる居酒屋、それらどの居酒屋も名前でお店の雰囲気も分かり愛着も沸きます。そしてそのお店の店主の顔も浮かぶし、名前は大事です。

いろいろと考え、考え抜きましたが全てしっくりきません。そろそろ決めないと前に進まないと焦っていました。そんな時に居酒屋稼業を始めることを話していた数人の仲間にお店の名前で相談したら、私の名前は秋田谷ですが「秋田谷さん自身の名前にしたら?」と。

会社近くの浜松町の交差点にもつ焼きの『秋田屋』があったなぁ。いつも昼間っからサラリーマンが焼き鳥で一杯やっていました。店の中に入り切れずに外で立ち飲みをする風景はいつものことです。

私も何度か『秋田屋』へ飲みに行きましたが、繁盛するのが分かります。大ぶりの鶏肉を串に刺した焼き鳥にビールにお酒を二、三杯飲んで千円札三枚でおつりがくるのもサラリーマンにはうれしいものでした。しかもいつも多くのお客様で賑わってると気になるし、ついついお店に吸い込まれるのです。この気持ち分かるかなぁ。お酒飲まない方には分からないだろうなぁ。

『秋田谷?』ん~ちょっと違うなぁ……。名前そのままでは居酒屋にしては堅苦しいし……。女性一人でも安心してくつろげるお店、ゆったりと日本酒を楽しめるお店。優しく穏やかにやわらかい雰囲気でしかも和も表現できればと思い、あれやこれやと考え『秋田や』にしました。

すごくしっくりと納得し、決めることができました。本当に良い名前になったと「秋田谷さん自身の名前にしたら?」と言って下さった仲間には感謝です。本当に最高の屋号となりました(自画自賛でスミマセン!)。

そして場所にも拘りました。

家賃との兼ね合いもありますが、駅前駅近の不特定多数のお客様がくるような場所は敬遠しました。常磐線沿線かTX(つくばエクスプレス)沿線でいろいろと探し飲み歩き、南流山駅周辺にしようと決めました。できれば駅からちょっと離れた住宅地の一角で、一元さんが入りづらいお店。この入りづらく敷居の高い、静かな場所にしたのが良かったのかもしれません。

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