Ⅰ.人間の最大の死亡原因は何か?

1 罹患原因の存在しない病気はない

我が国の特異な死亡原因疾患発生傾向

今日の我が国の疾患別死亡率の統計を調べてみますと、両発作による死亡者数は年間の死亡者数の4分の1ほどです。この数値は欧米諸国の両発作による死亡率の半分以下の、非常に低いものです。

但し、このことは、我が国の医療がこの領域の病気に関して優れた成果をあげ得ているということを示しているのではなく、両発作死を起こすよりも早い年齢でガンに罹患して非常に数多くの人々が亡くなるようになったための変化であると判断すべきだと私は考えています。したがって、このような状態は早急に改革の手が打たれなければならないと思っています。

ところで、近年の我が国は、核家族化が進んだためなのか、孤独死の発生件数が急増しています。そして、孤独死者のその数が余りにも多く、また、死因の特定および事件性の有無を確認、判定する監察医の数が足りないため、死亡原因がわからないとされる者の数が年間の死亡者数の15%近くを占めるほどに達しています。

しかし私は、事件性がある(ないしは自殺)と判定されるごく少数の事例を除けば、それ以外の孤独死者たちの死因の大半は両発作によるものであろうと推察しています。つまり、我が国の年間の死亡者総数に占める両発作による死亡者数の本当の割合は、実は40%近くにもなると思われるのです。

さらには、両発作の根本原因物質と同じものが、消化器系ガン発生の主要因としてその発症に深く関わっていると判断されることから、我が国の場合も欧米諸国と同様、60%近くの人々は、この両発作死の根本原因物質と同じものが原因で発症した病気で命を失っていると考えられます。

前述したように、我が国の死亡原因のダントツのトップはガンですが、それ以外でも、それぞれの病気の疾患別死亡率の中での順位や、その死亡率の数値が、我が国と欧米諸国とでは結構異なっています。

さてそこで、我が国が欧米諸国に比してかなり異なる死亡原因疾患発生傾向を示すようになったことの原因について、私がどのように判断しているのかを、以下に記したいと思います。

この日本人の特異な死亡原因疾患発生傾向は、窺い知れぬほど昔よりの、極めて長年月にわたる穀類・魚類・野菜類を中心とした食生活によって築きあげられてきた民族としての体質と、第2次世界大戦敗戦後の、僅か七十数年余りの期間の中で、従来とは大幅に異なる獣肉類過多の食生活へと急激に変化したこととの間で軋(きし)みが生じた結果としてもたらされたものであると私は判断しています。

このことについて、もう少し詳しく述べてみましょう。

まず、仮に欧米人を“肉食動物”にたとえるならば、日本人は数十年前までは“草食動物”と言い得る存在であったと思えるのです。

例えば第1次世界大戦時の戦死者から採った少し古いデータですが、ドイツ人の腸の長さ約2.5mに対して日本人は約7mと、日本人の腸のほうが3倍近く長いということが明らかとされています。

その草食動物に近い消化器を持つ日本人に、この僅か半世紀余ほど前から肉食化への変化が急激に起きたため、消化器とその消化能力との間で不適合が生じていると思われます。

ことに、肉類を多く食べた場合や、消化能力に影響が及ぶ病気の罹患時には、消化不良さらには、その不良の度合いが進むと、摂取した食べ物の腸内における高度の腐敗を生じるなどして、発症する病気の種類が従前に比べて大きく変化する結果がもたらされたと判断されるのです。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。