第四章・準備期間

二〇〇七年六月

あの記念試合から三カ月が経った。

俺たちにとっては幸いなことに、まだ高校のグラウンドの処分が決定していなかった為、蟹江町に許可を頂き、引き続きグラウンドを月一回借りることが出来ていた。

蟹高ラグビー部OBから蟹クラブへ参加するメンバーはやはり少なかったが、蟹クラブの会員は例の若手三人を含み二十名ほどだ。そろそろまた試合もしたくなってきたところだった。しかし二十名が全員そろうことはなかなかない。当分試合は無理そうだ。

そんな中、加藤(貞)先生の出身大学のOBチームとの混合で試合をしないかと連絡が入った。なかなかメンバーがそろわなかった昨年に、上床先輩が加藤先生に連絡を入れて、一緒に練習をしたことがあるようだ。相手は瀬戸のラグビーチーム。いい話だった。

「よーし。頑張ろう」

蟹クラブから出られるのは俺を含め七名。大学OBから八名で行うことになった。