ただし、遺伝子の内容は極めて高度な個人情報であるので、個々の情報はきちっと管理をされなければならない。遺伝子には、遠い先祖に遡っての情報も含まれるのでなおさらである。それらを踏まえての健康改革ということになるのだ。

例えば、遺伝子の情報によって個人で体に気を付けるということはあたり前のことだが、同じような疾患になりやすい人々がグループを作り共に健康を保つ行動をとる、専門医の方に定期的に検査を受けるなどが可能になる。

また、それらの個人やグループの皆さんに行政が情報を提供し健康維持の手助けをするというようなことも容易だ。そうすることにより、なるべく罹患せずに人生を歩んでいくということになれば個人の幸せにも繋がるし、国にとっては巨大な医療費の圧縮にも繋がる。

このようなことがまさに健康改革ではないだろうか。しかしながら、人はいずれ必ず死を迎えるわけで、苦しまずできる限り安らかに最期を迎えられるよう、今後の医療の発展を望むところである。

(2)国民皆保険制度の改革

医療制度の改革といっても医療の技術に対して述べるわけではない。医療の技術においては日々進歩を重ねており医学に携わるドクターの皆さんに委ねたい。ただ、特定の疾患に対する研究や医療技術の開発については、国が予算を十分に確保し国民の健康のために国としての責任を果たしていかねばならない。

従ってこの部分においては日本が誇る国民皆保険制度について述べていくこととする。わが国の医療については、国民の誰もが加入している医療保険によってかかる費用の軽減がなされている。

もしこの制度がなかったとするならば、誰もが安心して診療を受けられなくなるだろう。病院に行って診察してもらうのに多額の費用を支払わねばならなくなる。これらのことに対応している日本の国民皆保険制度というものは世界に誇っていい制度なのである。

※本記事は、2022年3月刊行の書籍『The Great Reset of JAPAN 日本の再生方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。