しかし、北海道ブロックで野党から与党へ転身を遂げた女性議員を一本釣りの様にメンバーに加えようと口説いて面接試験に臨んだのだが、当選四回のうち二回が野党政治家としての当選だったせいか、北海道の課題である北方領土問題や象徴天皇制等我が国の国柄についての見解に党首である武藤とは些か考えを異にする点が垣間見えた。

そして致命的だったのが文書滞在交通費の詳細な支出明細の提出を求めネットで公開するとした点で、

「法律で領収書を求めない、使い道を問わない、と言っているのに党にそこまで強いられることには承服しかねます。なのでこのお話はなかったことにして下さい」と言って面接試験の途中にもかかわらず理事長室を出て行ってしまった。

「まっ、しょうがない。北海道は比例だけで戦う事にするか」と言って北海道での小選挙区の戦いを諦めた。

そんな中、衆議院北海道比例ブロックは、定数一一名の比例選挙区であり、北方領土問題を抱えた選挙区でもある為、是が非でも小選挙区候補者をと、獲物を探していた。

そして何人かの自衛隊出身者で、参議院全国比例で当選している議員に面接を試みてみた。あのイラク派遣から帰って一躍有名になった〇の隊長の愛称を持つような人達である。

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※本記事は、2022年8月刊行の書籍『ザ・総選挙』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。