敏感な性格

夫婦喧嘩、憶えている限りだと片手に収まる程度だけれど何となく気まずい雰囲気とかは、たまにあったと思う。将太は全く感じない子で空気を読まない。反対に雄太は敏感でちょっとした一言で感じ取ってしまって気を遣う。それはかなり小さい時からで、雄太の様子に親としてどうしたものかと、よく悩んだのを思い出します。

不機嫌そうなやり取りのちょっとした一言が雄太の心を傷付けてしまうようで、雄太の顔色を見てしまうことが多くなって、それをまた雄太が感じ取ってしまう。何とも言えない負の連鎖だったと思う。もっと、子供の前で夫婦喧嘩を見せておけば良かったかと……今となってはどうにもできないことだけれどね。

ママは夫婦喧嘩の絶えない家庭で育ったから子供の前で喧嘩しないことに、かなりのこだわりがあった。うまくできたかは分かりませんけどね。

チック

小学校二年の時、クラスの女の子が「死ぬ」って言って大騒ぎになった。雄太はチックという症状が出てしまい眼科を受診することになる。目をグルグルと回したりパチパチと瞬きをずっと繰り返す。実はチックという症状は眼科で受診するまで気が付いていなかった。医師に

「これは目の疾患でチックというものです。何かありませんでしたか」

「まつげが一本もないですよ、自分で抜いたと思いますが」。

もう、目の前が霞んでしまうようなショックで、どうやって治せばいいのか分からなくて泣いてしまいました。雄太の話だと「飛び降りて死ぬ」って言ってる女の子を自分が助けたんだ、と。どんなショックを受けたんだろう。毎日毎晩、抱きしめて寝ました。

どれくらいかかったかは忘れてしまったけど、しばらくして元に戻りましたが、雄太のデリケートな部分をまた感じて不安の種になってしまいました。心配しすぎて先の先まで予想して心配をどうにかしようと四苦八苦していた。心配は尽きない。どこまでも続くエンドレスだった。雄太の気持ちを考える余裕もなく自分の気持ちを優先して色々やっていたね。

今、振り返ると「ごめんね、雄太」、そんな気持ちになってしまう。

不安

雄太は人と係わることが好きで、いつも友達が周りにいる印象でした。でも、小学校の高学年になった頃から「一人が不安なんだな」って思うようになってきた。心細そうな様子を見て、またまた不安が募って雄太から目が離せなくなってしまった。

パパは「そこまでしなくても、いいんじゃないか」って言ってた。言われても止められなかった。困ったもんだね。ママのやりすぎを感じていたと思うけど言葉にして拒否したことはなかったように思う。あったのかもしれないけど気が付かなかったのかもね。