深夜二時で三次会が終わった。皆店の外に出た。

雨がかなり降っていた。

「今度は雨か?」と心の中で俺はつぶやいた。

でも、昼間に降らなくてよかった。

キミはナオミの家に泊まることになっていた。ミッコとミホも一緒に泊まるようだ。これは話し込んで寝る時間ないんじゃないの、と俺はそう思いながらナオミの家に皆を送っていった。

深夜三時近くになっていた。真夜中だというのに男子の俺と一典も誘われるがままナオミの家に上がり込んで、また皆で昔話を始めてしまった。学生時代のノリそのままだ。今日だけは特別だ。まあいいか。

一典(イッテン)。甘いマスクで学生時代、平岩や沖と同様女子たちに絶大な人気があった男だ。今もその容貌は変わっていなかった。現在は仕事の関係で東京に住んでいる。

俺と一典は明け方にナオミの家を出た。

「一典。送るよ」

「いや、タクシーで帰るからいいよ。すぐ近くなんだろ? 相木の家は」

「ああ」ナオミの家は車で二、三分のご近所さんだ。

「また、ラグビーを始めるのか?」

「メンバーがそろうかどうか心配だがな」

「気をつけてな」

「ありがとう。また、会おう」

タクシーが来た。

「ああ。また、皆で会おう。皆によろしくな」

雨は既に上がっていた。

長い一日が終わった。