第三章・緊急入院

一日中居座っていたのは、もちろん俺やベンに会いに来ていたわけではなかった。目当ては店の女の子であったのは言うまでもない。

同窓会には、記念試合を見学に来てくれた女子たちの他に懐かしい顔ぶれがそろっていた。

しばらくして、直たちが病院から店にやって来た。重美の嫁さんが来たところで、付き添いを替わってきた。原因はまだ不明だそうだ。検査を続けるため、緊急入院となったそうだ。

「原因不明?」沖だ。

「そうなのよ。わからないって」ナオミが言うと

「設備が揃っている大学病院で?」と平岩が聞いた。

「不思議よね」とキミ。

少し不安になったが、逆にどこか内臓を傷つけているわけでもないということだ。安心してよさそうだ。

「そ、そういうことなら大丈夫だな。じゃあもう一度皆で飲み直そう」明史だ。……既に出来上がっていた。元テニス部だ。長身で大の酒好きだ。必ず酒の席には一番乗りして皆を迎えてくれている。世古と同様、仲間内での会合や旅行の企画をしてくれていた。よく一緒に旅行に行く間柄だ。

この日の為に毎月練習をしてきた重美でさえ、こういう状態になる。これがラグビーの怖さだ。70㎏、80㎏を超えた男たちが走りながらぶつかり合うスポーツだ。ケガをしないほうがおかしい。自分たちがしたくてもこの歳では家族の反対があるだろう。ラグビーを続けていくのは難しいと改めて思い知らされた。

同窓会には光先輩や関山先輩も合流し、夜中まで続いた。