見上げれば椿のトンネル天ぷらに

島中、いたる所に椿並木がありましたが、泉津の椿トンネルは、群を抜いていました。樹齢二百年前後の椿の大木が道の左右から中央にのび、百メートルあまりのトンネルを作り、椿の国の秘密基地へのアプローチのよう。照葉樹の椿の葉はツヤツヤ光輝いていました。

元町浜の湯の露天風呂で海を見ながら入浴した後は、地元ではアンコさんと呼ぶ娘さんの待つ旅館で椿油で、揚げた香ばしい天ぷらをいただきました。

東京都大島町 伊豆大島 1998.2.2

はからめの命生み出す小さき葉

椿で有名な伊豆大島の元町港近くに“ぱれ.らめーる”(フランス語で“海の宮殿”)という貝資料館があります。草刈正指導のもとに、収集された美しい貝、珍しい貝が展示してあるのですが、その館の一角にとてつもなく大きなはからめ(べんけい草の仲間)の木がありました。びっくり、びっくり、私が育てていたのはとても小さく、あんなに大きくなるなんて。

ちなみにはからめとは読んで字のごとく葉から芽がでてくる植物で生命力旺盛です。

東京都大島町 “ぱれ.らめーる” 1998.2.28 

イソツツジ噴煙硫黄に白い波

三月、まだ雪深い硫黄山を訪れました。まだエゾイソツツジは雪の中。川湯温泉から硫黄山までハイキング。硫黄山というだけあってかすかに硫黄の匂いがたち込めます。そこで温泉卵を食べたのはおまけです。近くの屈斜路湖の露天風呂に白鳥と一緒に入浴したのもまたまたおまけです。六月、硫黄成分で酸性土壌になった山にしっかり根付いたエゾイソツツジの花の群落は白い波のように満開でした。

北海道弟子屈町 硫黄山 2005.3.10、2005.6.19

※本記事は、2022年10月刊行の書籍『誘われて』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。