① 思考の変化を起こす

(一)我慢をしない

最初に断言しますが「人間というもの、我慢は絶対に続きません」 我々はとてもわがままな生き物です。いや、生き物全てが本能のままに生きることを前提としてデザインされています。無理に我慢をすれば精神を病んでしまうかもしれません。手足を縛られて生きていくことを想像してみればわかりやすいと思います。

例えば、遊ぶのを我慢して勉強やスポーツで努力をするのは、遊んだ結果よりも努力した結果の方を自分が望んでいるからです。乱暴な説明になりますが、勉強やスポーツの才能がなく、好きでもなく、努力しても無駄だと考えていれば遊んだ方が得なので遊ぶはずです。

いやそんなことはない、と反論したくなる方もいらっしゃるでしょうが、心の中ではいつも天秤が動いていて、総合的な判断で右か左かを決めています。

もちろん100%右とか100%左という選択肢だけではありません。もしもあなたが現在やりたくない仕事をしているとしても、あなたは無数の選択肢から、いくつもの物差し(時間、お金、やりがい、将来性等)を使って考え、進んでそれを選択しているといえるでしょう。

本当に心の底からやりたくないと思っていて強制的に我慢せざるを得ないとしたら、鬱病などの危険をはらんでいますので、できるだけ早くお辞めになることをお勧めします。「生活やお金」と「健康や幸せ」を天秤にかければ答えは出るはずです。人はいつどんな時も、我慢しているのではなく選択肢の中から最善を選択し、やりたいことをやっています。

その結果、選ばれなかった選択肢は「しなかった」「我慢した」ことになります。沢山のご馳走が並んだバイキングで、食べたいものを食べ、食べられなかった物を「我慢した」と言っているだけなのです。だとしたら、あなたがお酒をやめる為には飲酒を我慢するのではなく、将来の健康や幸せの為に、進んで喜んで断酒をすればいいということです。

大切なのは、飲酒を「しない」ではなく、断酒を「したくなる」なのです。決して飲酒の我慢ではなく、飲酒と断酒で好きな方を選ぶだけです。このとても簡単な「思考の変化」で、あなたの今後の人生を大きく変えることができます。あなたがこのままお酒を飲み続けるメリットはなんでしょうか、あなたが完全に断酒したとしたら、そのメリットはなんでしょうか。

断酒するメリットでお腹がいっぱいになれば、飲酒のメリットは必要なくなります。 あなたは今、理屈はわかるけど、それができないから困っているのだと思っているかもしれません。それはあなたに「力」が足りないからです。その力とは何でしょう、それは「知識」なのです。

(二)知識を増やす

『知識は力なり』フランシス・ベーコン(イングランドの哲学者・一六〜一七世紀)はいいました。

【人間の素手にせよ、理解力にせよ、それだけでは、十分な結果をもたらすことは不可能だ。道具や補助器具を利用してこそ、[人間の手によって]仕事は成されるのだが、それら[助けとなる道具]は手だけではなく理解力にも必要とされている。手のうちにある道具が機能をもたらし手を導くように、精神の道具も理解力と注意力を補強する。】(Wikipediaより)