【前回の記事を読む】つい人の顔色をうかがってしまう…対人関係の悩みは「他人軸」が原因かも

他人軸な人の共通点は「否定の記憶」

他人軸な人は「自分に自信がないから、周りの反応が気になったり、人の意見に流されてしまう」と言います。その理由について聞き取り調査をしたところ、「過去に他者から否定された体験をしている」ことが分かりました。

具体的には、

・親に、兄弟姉妹やよその子や理想の子供像と比べられ、ジャッジや批判をされた

・親から厳しくしつけられた。無視や放任などの冷たい態度を取られた

・自分の意見を聞いてもらえず、親の思い通りにさせられた

・いじめや差別やモラハラなど、外部の人から傷つけられた

などは典型的な否定体験として挙げられました。

ここで重要なのが「否定の程度は関係ない」という点です。「痛み」の感じ方は人それぞれ違うので、一年間いじめられた子もたった一度親友から無視された子も、否定されたという点では同じと捉えます。

否定された体験は、「否定の記憶」としてデータ化されて、潜在意識(無意識)に刻まれます。このデータには、引き金になったエピソードと共に当時の心の痛みや感情も含まれています。これらは自然に癒されたり消えることはないため残り続け、のちの人生に影を落とすようになります。

たとえば私は、両親から褒められたことがほとんどありませんでした。母は厳しくしつける人で何をやってもダメ出しされました。父は、自分の気分次第で可愛がったり怒ったりする人で、やがて家に帰らなくなり最後は愛人と隠し子の方を選んで私を捨てました。

また、私は小学2年生の頃、近所の男の子からいじめられていたのですが、あまりの辛さに耐えかねて母にその事実を打ち明けたことがありました。けれど母からは「あんたが泣き虫だから、面白がっていじめているんだよ。明日からは何をされても我慢して笑いなさい」と言われました。話はうやむやに終わり、いじめは数年間続きました。

私は子供心に「ご近所付き合いの方を優先された。お母さんですら私の味方をしてくれないんだ」とショックを受けました。もちろん今の私は、母なりに悩んだ上での精いっぱいのアドバイスだったと分かっています。でも当時の私にはその真意を汲み取ることができませんでした。

そうした「否定の記憶」は、その時の悲しみや「私が悪いから褒められないんだ。捨てられるんだ。誰からも守られないんだ。私が悪いのだから攻撃されても笑って耐えるしかないんだ」という思い込みと共に潜在意識に刻まれました。