そんな回想の中、不謹慎ですが一つだけ「ユーモアあるある」を思い出しました。

私が二〇歳の頃の話です。私は泥酔して路上で寝てしまい、朝起きたら病院で点滴を打たれていたことがありました。親切な方に通報して頂いたみたいで、救急車で運ばれた、と後ほど聞かされました。

泥酔したままで目が覚めた私は、真っ白な病室であるにも拘わらず、何故か自宅にいると勘違いし、私を介抱してくれている真っ白な白衣を着た看護師さんを、当時同棲していた女性と勘違いして、あろうことか「お前は、何しとんのや」と怒鳴りつけたのです。

そしてお金も払わず、あちこちにぶつかりながら帰りました。(あとでお詫びに行きましたが、なんと恥ずかしかったことか)

どうやったら間違うんでしょう。ハハハハ、ハ……。

笑えませんね、苦笑。しかし、当時の私はこの話を「笑い話」として自慢げに話しておりました。

この本を読んでいるあなたはどうでしょうか。あなたは「お酒は楽しい」と軽く見ているかもしれません、しかしそれは「本人天国 家族は地獄」になっていないでしょうか。

※本記事は、2022年6月刊行の書籍『アルコール依存症だった私』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。