ここに書き留めたことは、あくまでも一つの事例である。しかし、これからお伝えしていく、様々な体験とリアルな実態、そして経費の詳細は、資産形成の手段として、投資マンションの経営を考えていく上で参考になる部分が多いと思う。特に、投資マンションを所有することで発生するいろいろな経費は、購入を検討するにあたっては、ぜひとも参考にして欲しいと思う。

所有後の具体的な経費は、多くの場合、売り手である営業マンの旨み満載のセールストークでは詳しくは触れられない部分だと思う。不確定であり、ないかもしれないことはあえて言う必要がないのであろう。

しかし、買い手にとってはあらゆることを把握しておきたいはずである。今後の資産形成の選択肢の1つとしてマンション経営に関心を抱いた時、本書が「迷い」の中での判断の回避につながればと思う。また、実際に始める決断をした場合でも、見通しが得られ、先行きに対する不安が軽減されることにつながれば嬉しく思う。

更には、マンション管理組合理事長の立場でも記してみたので、既に投資マンションを所有しているものの、収支バランスがうまくいっていないオーナーにも参考になる部分は多いのではないだろうか。販売する立場での投資マンション経営については、たくさんの書籍が販売され、動画も配信されているが、当事者自身からのものはあまりないのではないかと感じている。

これから投資マンション経営の15年間のリアルな体験と投資マンションの旨みとリスクについてお伝えしていきたいと思う。この本を手に取っていただいたことに感謝するとともに、これを読んでいる皆さんのお役に立てればと心より願う。私は、2022年3月末をもって定年を待たず退職した。

ハッピーリタイアメントは若い頃からの夢であった。余力を持ちつつ退職し、第2の人生に進む。この決断をするにあたって、投資マンションを所有している意味は大きかった。先ずは、このことも皆さんにお伝えしておきたいと思う。

※本記事は、2022年9月刊行の書籍『投資マンションが気になったら読む本』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。