【前回の記事を読む】コロナ禍で社会に認知?物流の大変革「シン・物流革命」とは

フィジカルインターネット構想でライフスタイルは激変する

実際、物流ネットワークを情報流におけるインターネットのように拡張、進化させていこうという構想が出てきている。現在のインターネットがデジタル社会の構築に大きく寄与していることに模して、グローバルネットワークのなかでモノの流れのインフラを構築しようというもので「フィジカルインターネット」(PI)と呼ばれている。

エリック・バロー(パリ国立鉱業高等学校教授)、ブノア・モントルイユ(米ジョージア工科大学教授)などによる提唱で、フランス語版(紙媒体、デジタル媒体)、英語版の同名書籍が出版され、日本でも邦訳が刊行されている。

フィジカルインターネットという語はモントルイユ教授が英国経済誌『エコノミスト』の記事の中の語句として使われていることから思いついたとされ、ロジスティクスの学術誌として高い評価を受けている『ロジスティクスリサーチ』誌に掲載された論文で定義されている。

インターネット(以下、本章では混同を避けるために「デジタルインターネット」と表記)のメタファー表現としてロジスティクス領域におけるフィジカルインターネットのビジョンを設計・開発することを提案し、あわせてその実装にあたっての影響と要件について説明している。

国、地域、大陸にまたがる学界、産業界、政府間の学際的なコラボレーションの必要性も説かれ、強調されている。