【前回の記事を読む】『尊敬する人の言葉「君たちは1週間しかないって思うでしょ。でも僕は…」』

奇跡の出会い

テレビに写る上品な女性

「これは何?」

指文字で書いてもらっている落ち着いた優雅な女性

見えない、聞こえない、話せない

白いエプロン姿に片っぽの靴下

光が友達のヘレン

ヘレンに文字を教えたのは使命感に満ちたサリヴァン

食事の時は家族の周りを食べ歩く

闇はドールを抱えて座ってる

そんな平和な生活にサリヴァンはやってきた

ヘレンを追いかけ指文字を書く

ヘレンは獣の様に暴れる

サリヴァンの腕を噛み逃げ惑った

二人は髪を振り乱す

サリヴァンは何故諦めなかったの

二人で暮らす部屋でヘレンは一人ぼっち

ママに頬を撫でてと泣いたのよ

声にならずに泣いたわ

ある日ポンプを押して湧き出る水にサリヴァンは叫ぶ

「これは水。みず、みず」

「いい? みず、みずなのよ!」

「物には、物には名前があるの」

ついにヘレンに雷が落ちる

天を仰ぐヘレン

ポンプの水に濡れながら

「ウ、ウ、ウォ」

「ウォー、ウォー」

喉の奥から記憶を連れて叫んだ

それから私は転げ回ったわ

これは何? これは? これは?

「W」「A」「T」「E」「R」

指文字のウォーター

あなたに会ったこと

それは奇跡の出会い

I am Helen

忘れていないわ

あなたを演ったことは私の奇跡

ウォーターの指文字を一生忘れる事はないわ

お母さんは目が本当に悪いんだ。

たまに手探りしながら歩くんだ。

お母さんの目が見えなくなったら

僕がサリヴァン先生になってあげるの。