詩人・作家・美術評論家Charles-Pierre Baudelaire

シャルル・ボードレール1821.4.9 パリ─ 1867.8.31 パリ

 

「いつでも弾けるピアノにランボーとかボードレールといった魅力的な本に囲まれて、静せい謐ひつな中にも刺激的でうっとりとしてしまうの」

1920年、アルコール漬けになった夫との関係で、「牛のように泣いていた」マリーは、バーデン=バーデンにある親戚のフォン・ミュンヒハウゼン男爵夫人の家をしばしば一人で訪れて、その家での生活をこのように書いていました。

詩集『悪の華』で知られる詩人であったボードレールは、パリ大学で法律を学びましたが、文学を志しました。20代に多くの詩作をしましたが、彼を有名にしたのはドラクロワを擁護した美術評論が最初で、詩人が美術評論をする流れは、マリーの恋人であったアポリネールへと受け継がれてゆきます。

長い亡命生活と結婚生活の疲れ、そして画家として新しいステップへ踏み出すか逡巡していたマリーは、ボードレールの著作から大きな刺激と活力を受けたと思われます。

アルチュール・ランボーと並ぶ19世紀の偉大なフランス詩人、シャルル=ピエール・ボードレールは1867年8月31日にパリでこの世を去りました。

※本記事は、2022年7月刊行の書籍『マリー・ローランサンとその仲間たち』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。