第二章 眼因性疲労を知る

1 眼因性疲労(Oculomotor syndromes注1)とは何か

福岡県みやま市の象牙堂めがね店と東京眼光学研究所(東京都杉並区)では、屈折異常や調節異常及び眼位異常などの、眼の不具合に起因する全身の神経諸症を眼精疲労ではなく、眼因性疲労(あるいは眼性疲労)と呼ぶことがあります。

眼が原因でおこる身体の症状をメガネで改善させることができることを、1974年の九州大学における日本応用物理学会九州支部講演会を皮切りに、千葉工業大学、福岡大学、早稲田大学で開催された応用物理学会学術講演会の生理光学部門で口演報告をしました。

・眼光学系の精密測定によるメガネ補正と予防医学への応用

斜位による疲労とプリズムメガネによる治癒例及び斜位測定法・UK法

1974年応用物理学会・九州支部講演会、九州大学

・プリズムメガネの不定愁訴に与える効果

1975年春期、応用物理学会学術講演会・生理光学部門、千葉工業大学

・眼光学系と不定愁訴の関係における一眼同側半身の関連性

1975年秋期、応用物理学会学術講演会・生理光学部門、福岡大学

・一般的な視力補正メガネと健康に合わせたメガネの補正法の相違

1976年春期、応用物理学会学術講演会・生理光学部門、早稲田大学

・眼光学系と体質

1976年春期、応用物理学会学術講演会・生理光学部門、早稲田大学

研究発表のための資料(調査データ及び考察)を記した小冊子『予防医学への足がかり、眼因性疲労に関する研究』を1974年(昭和四十九年)に自費出版して、同年に国立国会図書館に納本しています。

学会発表や冊子の編集には父上津原孝一と共に長兄啓作の労が大でありました。


注 1:Oculomotor syndromesは筆者自作の用語です