【前回の記事を読む】倦怠感や不眠症…体の不調が出たら「眼の検査」を勧めるワケ

3 眼を絶えずチェックしましょう

眼鏡による神経衰弱治療が定着しなかったのには、一度の検査のみで効果的なメガネが作れなかったところにも理由があるのではないかと思われます。

メガネを装用して一定期間は効果があったが、しばらくすると症状が再発するケースがありますので、そう訴えて眼科や眼鏡店を訪れ再検査を求めると、装用中のメガネで視力はすこぶる良い、それだけの理由でメガネは合っているとされ、再発した症状は眼が原因ではないとされるのは想像に難くありません。それが視力本位のメガネだからです。

潜伏遠視が出現している可能性を念頭に検査をすれば容易に発見できたのかもしれませんが、視格異常あるいは視格矯正法という概念の無いドクターや眼鏡店においてはわずかな度数の変化である為これを許容範囲とみなしレンズ交換の必要性がないと考える人が多数いると考えられます。

神経衰弱がメガネで好転するという説に懐疑的な専門家は一度良くなった症状が再発するのを盾に神経衰弱眼因説を否定しようとしますが、潜伏遠視が出尽くすまで諦めないでお客さまと検査員双方が根気よく取り組むことが必要です。メガネで手を尽くさずに治らなかった眼精疲労の末路が神経性眼精疲労なのです。

潜伏遠視の出現を見分ける簡単なチェック方法を記しておきます。装用中のメガネの前に最弱度の凸レンズ+0.25Dを重ねて視力表を見たときに視力が低下しない、あるいは却って良く見えるときには潜伏遠視が出現していることを示しています。

前田眼科の視格矯正法で念入りに合わせたメガネであっても、一生涯効果が永続するものではありません。眼の屈折度は中長期的には加齢による変化もありますから、定期的に検診を受けることが健康管理上必要なことです。