こうして、韓国をはじめとするアジア各国でおこなわれている小学生年代に対する学校英語教育の状況を知ると、我が国の英語教育の立ち遅れが改めて感じられます。

表1は、以上の状況をまとめたものですが、時間数、内容、教員養成のどれをとっても他のアジアの国々から大きく遅れを取っている我が国の現状が浮かび上がってきます。

写真を拡大 [表1]アジア諸国における小学校の英語教育制度

日本は、2020(令和2)年度をめどに、英語の必修授業を3年生に前倒しする方向で準備が進められました。5、6年生の授業も教科に格上げされて時間数も週3時間に増やされました。

何のために英語を学ぶのかという目的や具体的な方法が示されないまま、なんとなく小学校での英語教育が必修化してしまった感があります。

変化が激しいこの時代に、立案から実施までにさらに7年もかけたというのは如何なものでしょう。日本の英語教育のアジアからの遅れは更に拡がったのではないでしょうか。

※本記事は、2022年2月刊行の書籍『話せる英語教育その方法 あなたは子や孫にどんな教育を望みますか』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。