【前回の記事を読む】3週間で370人の集客!ピンチを切り抜けた講演者の「ある行動」とは?

1章 応援される人間とは

責任の領域

応援されるためには、人の心を動かす必要があります。

何度もお伝えしますが、人の心を動かすというのは「高級車に乗りたいからお金が欲しい」というような自己中心的な夢では、人の心を動かすことはできません。夢だけでは、自分の夢を叶えるのは難しいと表現しているのも、そういった理由があるからです。

人の心が動く時は「この人を救いたい」「良き社会を創りたい」といった、利他的な心が必要です。

人は社会や人のためにという純粋な想いに、力を貸したくなります。だからこそ、人から応援される自分になるための最初のステップは志を持つことなのです。

ただ、利他的な心がいくら大切だと言われても「自分以外のことに命をかけることが本当にできるの?」と疑問を持たれる方も多いと思います。そういった方に、僕はよく家族の例を挙げます。

お父さんでもお母さんでも、自分の子供でも家族に何かあったら、心から心配しますし、何か困っていたら見返りなしに助けたいという感情が起こるはずです。その気持ちと全く同じように、自分以外のことを自分ごと、つまり自責の精神で対応できることが社会や人のために活動していく志だと僕は思っています。

自責の精神とお話をしましたが、どこまでの責任を背負いたいのかは人それぞれです。

例えば、僕のように全世界に家族を作り、差別がある時代を終わらせたいと世界の社会問題にまで責任を負いたいという世界の領域もあれば、僕の父みたいに、家族が幸せであれば何もいらないという家族の領域もあります。ここで間違ってはいけないことは、この責任の領域が広かろうと狭かろうと良い悪いは決してないということ。

各々、自分がどんな人生を歩んでいきたいのかによって想いは変わってくるものだからです。

もちろん、責任の幅が大きければ大きいほど大変だし苦労はあります。ただ、この責任の領域にはしっかりとしたメリットもあるのです。それは、人を守った、人を笑顔にしたという、何ものにも代え難い経験と心です。

皆さんも経験ありませんか? 人が笑顔になる、幸せになった瞬間の心が満たされる、あの感覚。

あれは本当に最高の気持ちになりますよね。

日本は精神的幸福度が、世界ワースト2位という結果が出ています。(2020年ユニセフの調査)日本国は、物は溢れ、事は便利になっているにもかかわらず、心が満たされていない人がたくさんいるのです。だから、心が満たされる行動は、自分の幸福にも繋がっていきます。

僕自身もこの書籍は、皆さんが時間とお金を投資して読んでくださるものなので、何度も原稿を書き直し、締め切りギリギリまで粘って書き上げました。

全ては、1人でも多くの読者様の想いが叶うきっかけを作るためです。なので、この本を読み、人生が変わったという方からの温かいメッセージを1人でもいただけたりすると、僕の想いや行動は全て報われます。そしてまた、社会や人のために一生懸命頑張ろうと思えるエネルギーに変わっていくのです。