このあたりの判断に迷う場合は、必要に応じて不動産鑑定士に相談するとよいと思います。例をあげると、対象不動産が九階建ての事務所ビル、築後三五年を経過していて、新耐震基準ではない場合で、更地としての最有効使用が、マンションの敷地だとします。

写真を拡大 [図1]建物及びその敷地の最有効使用の判定

この場合、建物をリノベーションしてマンション用に用途変更する場合、取り壊してマンョンに建て替える場合、現況のまま継続使用する場合によって、価格を比較します。それらの価格を比較して、結果として最高の価格が最有効使用による価格、つまり不動産の価格として判定されます。

そして、対象不動産の最有効使用を判定したからといって、一つの手法で価格が決まるのではありません。鑑定評価における代表的な三つの試算価格があります。対象不動産について最有効使用を判断したうえで、多面的なアプローチによって複数の試算価格を出し、それらを比較し決定することになります。

代表的な手法は、「原価方式」「比較方式」「収益方式」があり、それらの方式によって算出される試算価格が、「積算価格」、「比準価格」、「収益価格」となります。

写真を拡大 [図2]価格比較

例えば、自用の戸建住宅が最有効使用であって、積算価格を査定したとしても、それを賃貸した場合を想定して収益価格などの試算価格も査定し、これらを比較しながら最終的な鑑定評価額を決定するのです。

もちろん、自用の戸建住宅が最有効使用ならば、収益価格はそれよりも低く説得力も低いでしょう。逆に、最有効使用が収益用アパートであれば、収益価格の方が積算価格よりも高くなるでしょう。

しかし最有効使用でない試算価格も査定することでその検証の精度はあがるのです。そして、複数の試算価格を、重みづけによった比率配分を適正に行って、最終的な鑑定評価額を決定するのです。

【前回の記事を読む】コンビニ製品とはワケが違う!多種多様で個性的な不動産価格の決め方