【前回の記事を読む】「平和への原動力となるのは民意」反戦の機運を高めるために必要なのは…

戦争の原因

どうやら現代の戦争や紛争の多くは表向き国×国に見えて其の深層は権力者(軍需産業)× 庶民(自国及び他国)の構図になってきているのだ。

戦争を望む庶民(兵士)はいない。だが一旦戦いが始まれば憎悪の連鎖となり際限が無くなるのが人の業だ。虚報などで都合よく踊らされてはならない。大国の軍需産業が肥大化し他国への紛争に活路を求めているのも紛争が長期化する原因だろう。

非力な庶民が彼等に対抗するためには、知り得た紛争の兆しや人権問題をネットで訴える事の出来る公平で信頼に足る第三者調停機関が是非とも必要である。

又紛争が勃発したならば調停機関は庶民的視点で支援策を立案、「平和の声」としてモニュメントから世界に継続的に発信すれば被災者を力づけ、紛争停止の世論を盛り上げる力ともなろう。調停が無に帰したならば相手国の真意や国際情勢を見極めた上で、国民合意の下戦火を交えずガンジーの如き無抵抗・不服従も勇気ある有力な選択肢であろう。今や民意の協力なくして長期的統治は不可能である。

又いかなる戦争であれ庶民が命と財産をかける価値はない。戦争で利するは軍需産業と戦勝国の権力者のみ。庶民はいつの時代も勝敗の如何を問わず被害者なのだから。

しかし現下のエゴむき出しの複雑な国際情勢や人間の持つ果てしない権力欲そして強欲・狡猾な軍需産業の力を考えれば紛争の無い世界などと言ったことは絵空事のようにも思える。もし万が一モニュメント建設の機運が高まるようなことにでもなれば、戦争を古のものとして回顧するような平和な世界が遠くない将来、モニュメント建設五十年後ごろ? には実現するやもしれない。夢は果てしなく広がる。私は誇大妄想の癖があるようだ。これらは大言妄語かもしれないがこの稿が幾ばくかの力になればと願うものである。

二〇一〇年エジプトからの帰途夏東京に立ち寄り「クフ王のピラミッドの隣に紛争撲滅のメルクマールとしてピラミッドを」と大学のゼミ仲間に話したところS君が趣意書を作れと言う。それをネットで流して世界の反応を見てみようということになったが、その年の十二月に始まったアラブの春騒動で時期が悪いということになった。その後一二年経ち思いもよらず欧州に戦争が勃発する事態となった。「嗚呼、人とは…」である。