【第1章】先んずれば相続税を制す

【コラム】あなたはどっち? 相続税の節税対策が必要な人、不要な人?

【第8回】でも説明したように、相続税の税率は課税資産の多寡によって変わります。ですので、ご自身が亡くなられた場合、相続人が相続する資産がどのくらいあるのかを把握しておくことが、相続税の節税対策をするべきか否か判断する上で、大変重要なのです。当コラムでは、皆さんにもしものことがあった時に、相続税が発生するのか否か、前もって知っておくための方法をお知らせしたいと思います。

相続資産には大きく分けてプラスの資産と、マイナスの資産があります。プラスの資産には、現金、預貯金、不動産、動産(自動車、美術品、骨董など)、有価証券、借地権、知的財産権(著作権、商標権、特許権など)などが含まれます。

一方、マイナスの資産には、借入金、買掛金、未払金(住宅ローン、事業の運転資金、未払家賃など)、連帯債務、保証債務、損害賠償の債務、未払いの税金(所得税、住民税、固定資産税など)が含まれます。大雑把にいうと、プラス資産の合計からマイナス資産の合計を引いたものが、相続資産となり、これが3600万円以下であるようでしたら、そもそも相続税の課税対象ではありませんので、一切心配する必要はありません。

プラスの資産のうち、多くの人が持たれているのは、預貯金、有価証券、不動産だと思いますので、これらの資産に絞って評価方法を説明します。(現金も多くの方が持たれているプラスの資産ですが、評価も何も関係ないので、説明は省きます。)

まず、預貯金ですが、これらに関しては難しいことは何もありません。普通預金は相続時の残高が、そのまま評価額になります。一方、定期預金は相続時の残高に相続開始日に解約したとして受け取る利子を足して算出します。

次に有価証券ですが、株式の種類や債券の種類によって評価の方法が異なるので、ここでは一番一般的な上場株式の評価法だけご紹介しておきます。(他の金融商品の評価法についてお知りになりたい方は、税理士さんにお尋ねください。)

上場株式は、相続株式を基準に以下の4つの中から、最も低い価額が評価額になります。

① 相続開始日の最終価値(終値)
② 相続開始日を含む月の最終価格の平均額
③ 相続開始日の前月の最終価格の平均額④ 相続開始日の前々月の最終価格の平均額

※本記事は、2018年7月刊行の書籍『「金融大工」が知っている 一番わかりやすい相続対策』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。