B2B(企業間取引)物流についても、日立物流はECプラットフォームセンターを開設し、複数のネット通販事業者が最新鋭の設備、物流システム、庫内スペース、庫内スタッフをシェアリングできる従量課金型の物流センターを本格稼働させている。

EC汎用WMS(ネット通販向けの倉庫管理システム)とRCS(リソース管理システム)を中心に最適化された現場運営が提供されている。

日本通運も医薬品産業に向けて温度管理などの物流情報をIoTデバイスとブロックチェーンを活用してプラットフォームに落としていく構想を進めている。モノの流れと物流品質のトレーサビリティ(貨物や商品などの追跡可能性)の確立を念頭にプラットフォームを構築し、あわせて商流についても物流上のトレーサビリティデータを十分に生かした業界横断型のコンソーシアム(共同事業体)を視野に入れた取り組みを始めている。

ちなみにスマート物流サービスの構想からは漏れているが、リバースチェーン(静脈連鎖)におけるプラットフォームの構築も喫緊の課題となっている。

体内の血液の流れを動脈と静脈に分けて考えるように、モノの流れも動脈と静脈に分けて考えることができる。生産された製品などが実際に使用されるまでの流れを「動脈」、使用後に回収、廃棄される流れを「静脈」と見なすのである。

これまで多くの企業は「動脈部分のモノの流れをいかにスムーズに効率的に行うか」ということに熱心に取り組んできた。生産活動、物流活動などの効率化もそうした視点から行われてきた。

しかし地球温暖化問題などの深刻化に伴い、「いかに静脈部分のモノの流れ、モノの処理をきちんと行っていくか」ということに多大な注目が集まるようなった。

企業活動についても、「生産から販売に至る動脈産業と消費から廃棄、処理、リサイクルなどの静脈産業とをさまざまな意味で一体化させる」という考え方がこれからのサプライチェーンの強化には必要になってくるだろう。

同時に静脈部門の綿密な情報ネットワークの構築はこれまで以上に重要になってくる。実際、RFタグ(非接触型電子タグ)を活用しての不法投棄防止システムや静脈部門のトレーサビリティシステムなどの実用化も進み始めている。

動脈部門の情報化は急速な進展を見せているが静脈部門については「莫大な量におよぶ廃棄物の流れの情報ネットワークを構築することは容易ではない」といわれてきた。

しかし動脈部門と静脈部門の連動もふまえての緻密な物流プラットフォームの構築も必要になってきているといえよう。

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