練習な日々

おかんが仕切った練習

おかんがほとんど一人で運営した練習。

現高学年コーチは小学6年生卒業サッカー大会へ出かけてしまい、次期高学年コーチはトレセンで練習会に参加させる選手を選出するための会議が長引いており、唯一練習に専念できるおかんコーチが、練習を取り仕切ったというわけですよ。

いやはや、決して上手い運営ではなく、むしろコーチとしては下手っぴな部類でしたが面白かったですね。

練習メニューは、以下のような感じです。

(1)アップのために軽くドリブルをしながらジョグ

(2)ストレッチ(審判トレセンで仕入れたおかんバージョン)

(3)走りこんで、サイドからのシュート

(4)カウンターからのミドルシュートの練習

(5)視野を広くとるための練習

・一定のスペースにX座標とY座標を用意して、役割ごとに4人の選手を配置する。
・O地点に指示を出す選手を入れる。
・X座標選手(A)を水平方向に任意に動かす。
・Y座標選手(B)を垂直方向に任意に動かす。
・残りの選手(P)は、常にOAPBが長方形になるように移動。
・ 慣れてきたら、O地点の選手が5秒ごとに指で示す数字をP選手が叫びながら移動する。

(6)ミニゲーム

(7)陣取りゲーム

今日やってみて、なかなかうまくいかなかったけれど面白かったのが(5)の視野をとる練習です。小学4年生は、理解するのに時間がかかって最初のうちはギクシャクでしたが、わかってくると楽しんでいました。

小学5年生のキャプテンなんかはすぐに理解して動けたけれど、意外と小学6年生のほうのこだわりが強すぎるのか素直に動かず、視野をとるという練習の目的を理解させるのに時間がかかりました。

常に動き回るサッカーではそれぞれの味方の位置に対して適切な場所にいること(ポジショニング)が大切なんですが、視野を確保することはパスをもらいやすい場所にいることも意味します。

そして、審判目線でいえば陣取りゲームが興味深かったです。当初はずっとミニゲームをする予定でしたが、最初のうちは楽しんでいたものの最後のほうは飽きてきちゃって、彼らのリクエストに応じて陣取りゲームをした次第です。

おかんが陣取りゲームのルールを理解していなかったので、リクエストを出した選手に説明させて、基本的に子ども主体でやらせてみたのですが、これがおかんの審判としての勉強になりました。

というのは、ルールがきちんと理解されていない、かつレフリーがいないゲームっていうのが紛糾する、というのがわかったからです。

「タッチしたとかしない」とか、「陣地の後ろを回りこんだとか回りこんでない」とかで、得点するたびにいちいち揉めるのです。本当は、どちらかのチームが3得点するまでの予定でしたが、いちいち紛糾するので、暗くなってきた時点でやめさせました。

サッカーのレフリーの歴史で、昔は審判員などなかったのが、あまりにも試合が激しくて仲裁する人間が必要になって、レフリーが導入された、ということがあるそうですが、そういうことをまざまざと見せられるような経験でした。

今日の練習はたぶん、高学年メインコーチのTコーチが、おかんに一人で運営する機会をつくってくださったのだと思いますが、いろいろと勉強になりました。もちろん、不慣れなので下手なのは仕方ないとして、それとは別に、

(選手たちを飽きさせない練習って、やっぱり難しいな~)

と実感した日だったのでした。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『グリーンカード “おかんコーチ”のサッカーと審判日記』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。