第二章 相続不動産の基本を知る

そもそも不動産とは何か?

不動産といえば

皆さんは不動産と聞いてどのようなイメージをお持ちでしょうか? 多くの方が不動産と聞いて土地や家などの建物を思い浮かべるのではないでしょうか?

日常生活では「家を買う」「家を引っ越す」「アパートを借りる」など不動産という言葉を使うことは少ないのではないかと思います。なんとなく見聞きしたりして「不動産」という言葉を知っているものの、具体的に不動産って何? といわれると難しいですよね。

この章では改めて不動産、そして相続不動産について話をしていきたいと思います。

法律上での不動産とは?

それでは法律上での不動産はどのように定義をされているのでしょうか? 『民法』では不動産は次のように定義されています。

民法第八六条

一 土地及びその定着物は、不動産とする。

二 不動産以外の物は、すべて動産とする。

このように民法では土地と土地に定着する物は不動産と定められています。

では定着物とはどのような物になるでしょうか。定着物とは建物や樹木、移動することが難しい庭石などがあります。原則として定着物は土地の一部として考えられますが、建物は独立した不動産として取り扱われています。ちなみに樹木も立木法という法律があり、登記をされた立木、明認方法を施した立木は土地から独立をした不動産として取り扱われることになります。

続いて不動産には不動産登記といったものがあり、不動産登記法では次のように定義されています。

不動産登記法

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 

一 不動産 土地又は建物をいう。

不動産登記とは権利関係など自身が不動産を所有していることを明らかにするための制度になります。不動産登記をすると、その不動産を「誰が所有をしているのか」「権利関係はどうなのか」といった内容を記した「登記簿謄本」を法務局で取得することができます。

また所有者には「登記識別情報通知」といった書類が発行されます。難しいいい方をしていますが、いわゆる「権利証」です。