ホレーシオと侍女が登場して、ハムレットとオフィーリアの傍らに立つ。

音楽(四重唱「神の祝福を」)。

 

ホレーシオ  やがて国王ハムレット様

侍女  やがて王妃オフィーリア様

ホレーシオ  やがて国王ハムレット様

侍女  やがて王妃オフィーリア様

ハムレット/ホレーシオ 神の祝福を

オフィーリア/侍女  神の祝福を

ハムレット/ホレーシオ 神のご加護を

オフィーリア/侍女  神のご加護を

ホレーシオ/侍女 やがて国王ハムレット様  祝福を ご加護を

やがて王妃オフィーリア様  祝福を ご加護を(※繰り返し)

ハムレット/ ああ わがデンマークよ 永遠なれ

オフィーリア/ うるわしいデンマークよ 栄えあれ

ホレーシオ 永遠なれ  栄えあれ (※繰り返し)

侍女

 

音楽(四重唱)が消えるとともに、舞台溶暗。

ハムレットとオフィーリアは退場し、ホレーシオと侍女は残る。

 

第二場

音楽が流れるとともに、舞台が明るくなる。

 

ホレーシオ 神の祝福を受ける……だれもがそう思った。

侍女  そう思っておりました……神のご加護があるものと。オフィーリアさまの、お幸せそうなお顔…。

ホレーシオ ハムレット様の、生き生きとしたご様子……。お二人のお気持ちは、一つに結ばれていた…その日が来るまでは。

侍女  その日が来るまでは、結び目がほどけることはなかった。……けれど

ホレーシオ/侍女 その日は……やってきた。

 

音楽(重唱「そして、その日が……」)。

 

ホレーシオ  王様が 亡くなった 突然……

侍女  王様が 亡くなった 突然……

ホレーシオ/ 昼下がりの 庭園 お昼寝時

侍女 眠りに落ちられた その時に 毒蛇に噛まれて 亡くなった

侍女  慌ただしい ご葬儀 

ホレーシオ  慌ただしい 戴冠式

侍女  新しい王は 亡き王様の弟

ホレーシオ  王妃様は変わらず 亡き王様の妻

ホレーシオ/ クローディアス様と ガートルード様

侍女 クローディアス様と ガートルード様

ああ ハムレット様 ああ ハムレット様

王子のあなたに 降りかかる 運命の矢玉 怒涛の嵐

 

音楽(重唱「そして、その日が……」)が消えるとともに、舞台溶暗。ホレーシオと侍女は退場する。

音楽(叙唱「こんなことになろうとは」)。ハムレットが、下手に現れる。

 

ハムレット  ああ いやだ いやだ

ああ いやだ いやだ

まるで雑草が 伸び放題の庭だ

ムカつく下劣なものだけが のさばっている

ああ こんなことになろうとは

亡くなって 二月(ふたつき)いや一月(ひとつき)

立派な国王だった 今の王と比べれば 太陽の神と けだものほどの差だ

そのけだものが 王となり その叔父と母は 結婚した

ああ こんなことになろうとは

 

音楽(「心弱きもの、汝は女」)。

 

父上の亡骸(なきがら)に寄り添い 涙にくれて墓場まで送った母上

父上の亡骸(なきがら)に寄り添い 涙にくれて墓場まで送った母上

泣きはらした赤い目から 涙の跡も消えぬうちに

新たな夫の待つベッドに向かうとは

ああ なんという早さだ ああ なんという早さだ

心弱きもの、汝は女 心弱きもの、汝は女

汝は 汝は 女

※本記事は、2019年8月刊行の書籍『雪女とオフィーリア、そしてクローディアス』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。