はじめに

ビートルズは好きですか? スラムダンク一話目のような入り方をしましたが、音楽、特にロックが好きな方なら「好き」と答える人は多いかと思います。けれど「どのアルバムが? どの曲が?」となると、言葉を濁す人も、また多いかと思います。それなのになぜ「好き」と答える人は多いのでしょうか?

「好きなミュージシャンは誰ですか?」

そう聞かれ「ビートルズ」と答えた時に、「ベタだね」と言われたことがあります。

『ベタ=王道であり、ありきたりであること』

ベタという表現がそう解釈されるわりには、先ほどの通り、好きなアルバムや曲などで言葉を濁すほど、聴いている人は少ないように思えます。―それはなぜか―、簡単な話です。ビートルズの音楽が、テレビCMやBGMなど、様々な用途で世の中に溢れているからです。

世の中に溢れたビートルズを耳にし、王道と認識し、良い曲を知り満足をする。その結果、自ら敢えて聴くという行動に移しにくくなっているのではないかと思います。ではなぜそのようなことを思うかというと……、実際、私がそうだったからです。

なんとなく耳にしていたビートルズ。中学に入り訪れた洋楽ブーム。そんな中、友人から借りたビートルズのベスト・アルバム。二十歳を過ぎ色んなロックを聴く中、知人の勧めで聴き直したビートルズ。そのどれもが自分の中で異なる印象を残し、現在も尚私の中で進化し続けているからです。

そしてもう一つ、自ら敢えて聴くという行動に移しにくくなっている理由として、ビートルズが残した多くの作品も理由かと思われます。楽しみに一枚一枚聴く人もいれば、数の多さに聴くことを諦めてしまう人も少なくないかと思います。オススメされたアニメやドラマが、シーズン4とか言われると、観るのを諦めがちになってしまうアレと一緒です。本書では、そんな方々にビートルズのベスト・アルバム『赤盤・青盤・黄盤』をご紹介していこうと思います。

一九七三年に発売されたビートルズのベスト・アルバム。赤盤には一九六二年から一九六六年までの中から抜粋された二十六曲が収録され、青盤には一九六七年から一九七〇年までの中から抜粋された二十八曲が収録されています。そして……幻の黄盤です。『黄盤』とは『赤盤・青盤』未収録の名曲を集めたベスト盤です。ではなぜ黄盤が幻なのか。それは、現時点で存在しないアルバムだからなのです。ただ、そんなものがあったらいいな、出来たらいいな。ということで、今ここで作っていこうと思ったのです。

数年前私は、写真や洋服などをメインにしたニルヴァーナ(アメリカのロックバンド)の本を出版しています。読んだ方ならわかると思いますが、知らない方でもサラッと読みやすい内容になっているかと思います。(前作の軽い宣伝を挟み終えたところで)今作も同じように、今からビートルズを聴こうと思っている方、また聴くのを諦めがちになっている方にも、簡単に読んで楽しんでいただけるように”伝説のバンド、ビートルズ”彼らの結成と軌跡と解散。曲や気持ちの変化なども合わせながら、幻の『黄盤』を制作していきたいと思います。