グラウンドは一面芝生が敷き詰められていた。立派な広大なグラウンドだった。二年上の先輩たちが生徒皆で芝を植えたそうだ。今回の計画もその四回生の先輩たちが発起人となって話を進めているそうだ。確かに自分たちが作ったグラウンドであれば想いはなおさらだろう。

「先輩たちは去年から毎月集まって練習をやっとるそうだ。なかなか人数が集まらんので難しいかもしれんがなあ。上床先輩と関山先輩を覚えとるか? あの人たち、東京に住んどるだけど、わざわざ毎月練習に来とるぞ」

懐かしい名前だ。四回生の上床先輩。水産関係の仕事で、海外を飛び回っていると聞いている。海外出張に出ると二カ月や三カ月は帰ってこないらしい。元主将で今回のこの件の音頭をとっている人物だ。

五回生の関山先輩は東京の有名なテレビ局に勤めていて若い頃は報道記者として時々ニュースにも出ていた。共に自慢の先輩たちだ。

「わかった。そういうことなら話は別だ。今度いつ練習がある? 絶対に行くわ。他のラグビー部の連中には連絡しとるんか?」

「おう。沖や平岩、重美は既に一緒にやっとる。あと水泳部だったテーショーもやっとるぞ」

沖、平岩この二人も同級で、ポジションは共にバックス。センターだ。当時この二人がラグビー部を引っ張っていたと言っても過言ではないだろう。花形プレイヤーだった。今風?に言えばイケメン二人組だ。女子たちに絶大な人気があった。

この二人も今回の件では直と一緒に六回生の中心となって活動を進めてくれている。

重美(しげみ)。この男は俺とは中学から一緒だ。色が黒く身体も大きい。昔気質の真面目で誠実な男だ。スタンドオフ。司令塔だった。重美、平岩、沖……この三人が当時不動のバックスラインだった。

テーショー(水谷)は背も高く、胸板も厚い。一言でいえば、でかい。ラグビー向きだ。当時は水泳部のエースだった。高校時代のラグビー部は練習が厳しくメンバーがいつも不足していたため、他の部活からメンバーをいつも借りていた。よくテーショーには試合に出てもらっていた。頼りになるやつだ。 

そうか、皆元気そうだな。久しぶりに会えるのが楽しみになった。

「じゃあ次の土曜日だな」

約束をして電話を切った。

※本記事は、2022年7月刊行の書籍『ノーサイドの笛はまだ聞こえない 約束のスクラム』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。