このように、今まで存在していなかった価値を見つけ出して商品化するということが企業の宿命となっています。そのために自ら不足や需要を作り出し、商品化するというのが現代のありようと言いえます。

この原理に基づいて生まれた産業がエンターテインメント産業です。たとえば、現代に不足している恐怖を快適な空間で安全なまま享受して、ハラハラドキドキを疑似体験する映画やドラマ、ゲームなどです。

しかし、そういった疑似体験を通しての殺人や戦争がエンターテインメントと化し、凄惨な事件が現実に起きてしまっているように思えてなりません。他国の内戦や紛争のニュースを見ても、エンターテインメントとしてそれらを受け取ってしまう素地が作られているため、感受性がどんどん麻痺していっているのではないでしょうか。

FINANCE(金融)

事業を始めよう、または拡大しようとするとき、手元に十分な資金が無いことが往々にしてあります。そういった場合、銀行からお金を借りることになります。では、銀行はなぜお金を貸してくれるのでしょうか?それは借りる人(債務者)を信用しているからです。何を信用しているのでしょうか?

債務者が借りたお金を増やし、利子を付けて返してくれることを、です。企業の目的は最大限の利益を上げることなので、企業の将来性を信用している、ということになります。

企業が銀行からの借金以外で資金を得る方法の一つは出資をしてもらうことです。その出資をしてくれた人に対して発行する証券が株式です。返済義務はありませんが、その代わりに経営に対する発言権や投票権と、利益の一部を配当として渡します。

さらにもう一つの方法は広く市場からお金を借りる社債です。株式とは異なり、返済義務があります。この社債と同じように国がお金を借りるものが国債です。社債や国債などの証券を債券と総称します。

※本記事は、2022年2月刊行の書籍『 社会人による社会人のための資本主義とは』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。