【22日】

夕方発熱38℃、前日のヘアカットの無理がたたったか

スピーチカニューレ(器官を切開していても発声できるパイプ状の医へ交換へ交換実施

交換時疼痛、呼吸苦あったが徐々に軽減

酸素オフだとSpO₂ 90~91%

喉の中にスピーチカニューレが入り1か月ぶりにやっと話せるようになって、跳び上がりたいくらいに嬉しかった。スピーチカニューレを入れた後、何か話してみてと言われた。

「何を言えばいいですか?」

思いのほか大きい声ではっきりと話せたので、医師たちが驚いていたのが愉快だった。あの驚き方を見るとスピーチカニューレを入れた後、普通はすぐには話せないのかもしれないと思った。

ゼリー、桃、お粥を少し食べる。

【23日】

ベッドの端に座っていられる時間が、だいぶ長くなった。そうなってみると、寝たきりだった頃が嘘のように思えた。

たった1か月の間に首から下の筋力があっという間になくなって、2週間で再び動き出す。電池が切れたロボットが、電池を入れて動き出すのに似ている。人間の場合は電池を入れるだけでは済まない。多くの人にお世話になったし、多くの薬にも助けられた。私にそんなにしてもらう価値があるのだろうかと思うこともある。それでも退院できるまでは深く考えないようにした。

【前回の記事を読む】「死んでもいい」と書きなぐった…現実と幻覚の狭間の闘病生活

※本記事は、2022年1月刊行の書籍『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。