足がむくむのはなぜ?

夕方になると足がむくんでくるのは何故でしょう。

これは重力があるからこそ出現する症状で、地球上で生活する生物の宿命ともいえる症状です。体液の分布は、重力があるため、起きていると体液は下半身に移動し、臥床(がしょう)すると上半身に戻ってくるといわれています。

血液循環は、心臓から動脈を通って末梢の毛細血管に到達し、そこから静脈を通って心臓へ戻ってきます。静脈になると血圧が低くなるため逆流を防ぐために静脈には弁が備わっています。

さらに、下肢の筋肉は第2の心臓ともいわれ、筋肉収縮は静脈の還流を助ける作用があります。そのため、足腰が弱り運動量が減少すると、下半身に水分が停滞しやすくなり、水分は血管から細胞間に漏出してむくんできます。

足のむくみの原因は、循環器疾患、腎臓疾患など様々です。両側性と片側性があります。特に片側のみの下肢のむくみは要注意です。下肢の深部静脈に血栓ができて、急に足が腫れることがあるので、このような場合はむしろ運動は禁忌で、すぐに専門医を受診されることをお勧めします。

 

バタ足療法のすすめ

 

骨粗鬆症と足のむくみの関係はよくわかっていません。しかし、両者とも運動不足という共通点があるので、なんらかの原因で運動していないと骨粗鬆症になり、足もむくんでくるのだと思います。

普段から適切な運動を行うよう心がけましょう。

足腰が弱り運動量が減少すると、重力により下半身に水分が停滞しやすくなり、水分は血管から細胞間に漏出して足がむくんできます。足のむくみを取るためには、重力を味方につけるように臥床して、第2の心臓である下肢の筋肉を繰り返し収縮させることにより、静脈還流がよくなり、下半身に移動してしまった水分を上半身に汲み上げることで、足のむくみを改善することができます。

重力を意識して考え出された方法がうつ伏せでのバタ足療法です。バタ足運動には、足首バタ足運動と膝バタ足運動があります。

 

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※本記事は、2021年3月刊行の書籍『あなたの骨は大丈夫ですか? すぐできる骨粗鬆症予防』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。