第Ⅰ章 看護について知る

看護理論から考える看護について

看護理論家は看護学を体系化するにあたって、人間・環境・健康・看護の4つのメタパラダイムから明らかにしようとしてきた。

メタパラダイムとは、「ある学問を体系化するための概念枠組みのこと」だといわれており、メタパラダイムそのものも批判的検討あるいは更新が行われる物である。

4つの概念について、以下のように説明されている。

人間は看護活動の受け手、環境はその人を取り巻く状況、その人に影響を及ぼすすべてのもの、健康は看護の受け手の「よい状態」をさしている。

その上で、4つのメタパラダイムの関係については「看護の対象を考えるとき、人間は環境と連続的に相互作用をもち、それがその人の健康に大きく影響していることを理解しておく必要があるという。

多くの看護理論家の「人間・環境・健康・看護」についての説明を比較することで、看護についての考えを深めて欲しい。

前述したヘンダーソンの考えた看護の定義と看護理論家らのうち独自の視点をもって看護の説明を試みたオレムとロイについて示す。オレムとロイの看護理論は、臨床に最も応用しやすいとされている。

ヘンダーソンの看護の定義

前述の『看護の基本となるもの』より以前にベルタ・ハーマーの共著“Textbook of the Principles and Practiceof Nursing”第6版(1978年)において示された内容は以下のとおりである。

看護とは第一義的に、人々が(病気であれ、健康であれ)自分の健康あるいは健康の回復(あるいは平和な死)のための各種の行動、それらはもしもその人々が必要なだけの体力、意思力あるいは知識をもっていれば援助なしにすることができるであろうような行動なのであるが、それらを遂行するのを助けることである。

加えて、人々ができるだけ早い時期にそのような援助に依存しないですむようになるのを助けるのも看護独自の寄与である。