【前回の記事を読む】お金も集まってくる!「いつも応援される人」がもっている3つの要素

1章 応援される人間とは

自分の"人生背景"が人から応援される

僕たちが人の力を借りるためには、「力を貸したい」と人から思ってもらう必要があります。つまり、人の心を動かす必要があるということです。では、どうしたら人の心を動かすことができるのでしょうか。方法はいろいろとありますが、その中で最も効果的なものは、自分の人生ストーリーを語ることだと僕は思っています。

「自分はこんな経験をしてきたからこそ、〇〇に取り組んでいる」という人生背景からくる利他的な心です。その人生背景は、みんなが驚くような大きな出来事でなくても構いません。一人一人の人生には必ず、楽しかったこと、悔しかったこと、人生の転換期が存在します。ここをしっかりと振り返り、今自分が目指しているものと、照らし合わせることが大切になります。嘘偽りのない、自分だけの人生ストーリーを語れることが応援される力の第一歩となります。

なので今から僕の人生背景をお話しします。その経験から、どのような夢を目指すようになったのか。このこともお伝えしますので、是非皆さんの人生を振り返る1つの参考にしながら、読み進めていただけたらと思います。

顔も名前もわからない母親

物心つく前に両親が離婚した僕は、父と祖母との3人で暮らしていました。ですが、父にも祖母にも、僕は大切にされていましたから、家庭には何の不満もありませんでした。でもなんとなく、母親がいないことにモヤモヤした気持ちがあったのは、今でも覚えています。小学生の頃、僕は父に聞きました。

「お母さんはどこにいるの?」

するといつもは明るく元気な父が、急に顔を曇らして「全部俺が悪いんだ」と一言。その瞬間、「お母さん」という言葉は大好きな父が元気をなくしてしまう言葉なんだと気づき、そこから"お母さん"という言葉を使うことをやめました。

月日が流れ、僕は20歳になります。成人式当日でした。子供から大人にステップアップするこの日に、「育ててくれた父、そして産んでくれた母に感謝の気持ちを伝えたい」と、僕はそう思ったのです。父には、「育ててくれてありがとう」と伝えていたので、あとは母に対しての感謝の言葉だけでした。

お母さんに産んでもらった感謝、そして小さい頃からずっと知りたかったある質問の答えを聞きたいと思い、僕はその日に母に会いに行くことを決めました。数十年ぶりに友達と成人式で触れ合いましたが、僕はすぐに実家に帰宅しました。理由は母に会いに行くため。