同じ様な表をもう一つごらんあれ。

次ページの表3の数値は長打タイプ(長距離打者かどうかという意味ではない)かどうかを見る指標と思い勝手に作成した(本塁打を多く打つことと長打タイプとは別という考え方。二塁打を多く打っても長打タイプとして見た指標)。

写真を拡大 [図表3]

安打に占める長打の割合で4割をこえているのは5人だけであるが、この中に原が入っている。さすがONに次ぐ巨人の4番である。2000本以上の打者では、なんと王と清原だけである。王のすごさは言うまでもないが、清原もすごい。高卒で3割30本塁打は伊達ではなかったのである。

また、こうしてみると、張本は意外とアベレージヒッター的な要素を持つ打者だったのではないかと思われる。

指標だけではなく実際に一試合のなかで長打をどれだけ打ったのかを見ることも大切だ。その数値が勝利へ結びつくのである。表3の「一試合に打つ長打数」を見ていただきたい。

1位が王で、2位が長嶋である。改めてONのすごさ、巨人が強かったのかがわかるというものだ。

この表からは、長嶋がいかに積極的に打ちにいったかがよくわかる。他に0.4本を超えているのは5名いるが、山本、山内、落合以外は通算安打2000本以下である。多くの安打を積み重ねていけば長打力が落ちていくことを思えば、野村のこの数値(0.357)はよくやったと言える。捕手ということも考慮すればなおさらであろう。

※本記事は、2022年1月刊行の書籍『ミスタープロ野球長嶋』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。