③細胞内には細胞の活動に重要な様々な小器官があります。一般的な植物や動物の細胞は、図1に示したように細胞内にリボゾームやミトコンドリアなどの多くの細胞小器官があります。これらの細胞小器官が巧みに連携して細胞の生命を維持しています。

細胞内に核膜に包まれた核があるものを真核生物といい、核の中の核小体(仁)に染色体(図2)があり、この染色体の中に核酸のDNAが入っており、細胞質内にはもう一つの核酸のRNAがあります。

写真を拡大 [図2]染色体とDNA

動物や植物と細菌の細胞内には、DNAとRNAの両方の核酸が入っていて、自身のタンパク質を合成して増殖する極めて重要なはたらきをしています。

動植物の核は核膜で原形質で仕切られていますが、細菌や原生動物には核膜で仕切られた明確な核の構造がなく細胞小器官も未発達で、核酸も細胞質内に裸のまま入っているので核様体とよばれ、この核様体の中にDNAとRNAが入っています。この細菌のような生物の一群を原核生物と総称しており、原核生物は、生物進化の初期のものと考えられています。

細胞は、1個が二分裂して増殖します。この体細胞分裂では、まず最も大切な遺伝情報が組み込まれたDNAの入った染色体が親核と同数のものが二対できて分かれ、それから細胞がくびれるようにして分裂して、同じDNAをもつ二つの細胞が生まれます。

⑷生物の誕生

[質問]「生物はどのようにして地球上に誕生したのですか」

パスツールは微生物の自然発生を否定しましたが、如何なる生命体も自然には発生しないとすると、地球誕生時の原始地球時代から生命体が存在していたと考えなければならなくなるのです。原始生命体が宇宙からやって来たという学者がいますが、では、その宇宙の生物は、最初どのようにして誕生したのかと問われており、生命誕生には、疑問がさらなる疑問を生んでいるのです。

※本記事は、2022年4月刊行の書籍『基礎からわかるウイルスの脅威』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。