【前回の記事を読む】不動産会社経営の女性がひらめいた「物件を売るのに大切な“ある情報”」とは?

第1章 不動産のお仕事

インターネット不動産

やがて起業と同時に、インターネット不動産というものに出会ったのですが、私は迷わず、それを選択しました。そうして起業から十数年も前に聞き入っていたインターネットという言葉と、現実に出会うことになったのです。不思議な出会いでした。でも今考えれば、ごく自然な出来事でした。

最初のころは不動産をどうやってインターネットで広告すればいいかわからず、頭のなかを整理するのが難しい!と悩んだものです。何しろパソコンも未経験で、マウスの動かし方もわからなかったのですから。ですからパソコン教室にも通いましたよ♪

知らないことばかりで、天地が逆さまになるような感じの日々でした。長い道のりのような気がしましたが、できるだけのところでいいか、と割り切り、ゆっくりと急いで(?)進むことにしました。まるで趣味のような起業でした。不安も大きかったけれども、上手くいくと心でつぶやきながら……。

今ではインターネットで不動産の募集をすることは当たり前ですが、数十年前は、そんな方法が普及すると考える人はほとんどいませんでした。私がインターネット不動産をはじめてから、たくさんの時間が過ぎ、たくさんの協力を得て、今もまだ進行途中ですが、今日の日まで無事に過ぎてきたことが当たり前ではないことに気づかされます。もちろん紆余曲折ありました!

「インターネットを見たのですが……」

インターネットを見て来ていただいた初めての来客です。体が震えました。これが、お問い合わせなのだと。接客はサラリーマン時代に、慣れているはずなのに、声が震えてきます。嬉しさと不思議さで、足が地についていないような感じで接客しました。しっかりと声を聴くことに集中しました。ご希望の物件に近いものを紹介し、気に入っていただきました。契約成立! 「嬉しい!」の一言です。

「インターネット不動産」での起業のメリットは、店舗がネットのなかと考えて、情報収集から案内、契約に至るまですべてをネットのなかでやっていけることです。つまり、立派な土地に立派な店舗は必要がないということです。

知人の不動産会社は、都会のビルの一室で会社をやっています。契約や打ち合わせなどで使えればいいというわけです。初期に費用を節約するのに、好条件です。しかも、ネット上に店舗を置くわけですから、大きな会社とも、対等に競争できます。内容の競争ということです。

その代わり、お客様がちゃんと見てくれなければ、なきに等しいものとなります。心してかからなければ、成功は難しいと思います。インターネット不動産での収穫を追い求めて、日々仕事に従事していますが、最近はネット社会の怖さも感じるようになりました。スピード社会についていけないよ〜!

AIがどんどん発達し、そのうち知能まで機械がしてくれる日がやってきていますよ。確かに昔とは変わりました。ネット社会が及ぼすものは、想像をはるかに超えています……。もしかしたらインターネットでの仕事も終わりが近づいているかもしれません。次のステップへの道が続くのでしょうか……。