三重とこわか大会ボランティアへUD講座

とこわか大会のボランティアをする看護学校の学生たちに、UD講座をしたご報告をしました。アリコさんは、「いろんなボランティアがあるんや」と言いました。

2021年、三重県では国体が開催されるはずでしたが、残念ながら、コロナ禍により中止となりました。伊勢エビのマスコットがかわいらしく「三重とこわか大会」という名称になっていました。オリンピックの後にパラリンピックが開催されるのと同じように、国体の後には全国障害者スポーツ大会が開催されます。

今回の大会では、手話や要約筆記の技能がある人のボランティアや、会場や会場周辺をご案内する一般のボランティアが募集され、準備期間中には学校単位で応募してくれた学生に対し、県が研修を行いました。私たちが担当したのは、連続講座の一部だったので、UDの話をベースに実践的な内容にしました。

①UDのまちづくりは、何かをしてあげる事ではなく、障害当事者が自分でできる事を増やす事

②現役の看護師が話す、学生のうちに身に着けておいてほしい事

③学生がボランティアに行く会場と試合内容に合わせて、車いすや知的障害の人に対応する時に気を付ける事

②では現役看護師が講師となり、配置換えなどで病気については毎回勉強をするけれど、案外勉強しないのが患者さんへの接遇の心なので、患者やその家族への心遣いを、今のうちに身に着けておいてほしいと話しました。また授業では、ベッドから車いすへの移乗しか習っていないという事だったので、実際に車いすに乗ったり車いすを押す体験をしてもらいました。

③では、比較的言語障害の重い脳性麻痺のメンバーがメッセージを伝えた後、彼の話を聞き取って頼まれた事を実行するというゲームをしました。聞き取るだけのゲームではなく、何度でも聞き返すためのゲームです。今回も彼は、言語障害を理解してもらうために、自分で自己紹介をしました。その後は、彼の話し方では時間がかかるため、私が代読をしました。

※本記事は、2022年3月刊行の書籍『コレぜ~んぶUDなんです‼』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。